取放(読み)とりはなつ

精選版 日本国語大辞典 「取放」の意味・読み・例文・類語

とり‐はな・つ【取放】

〘他タ四〙
① 取り出して別々にする。とりのけて、ひきはなす。取り分ける。別々にする。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「このむすめどもをもとりはなちて〈略〉又相見せ奉るべきにも侍らず」
② とりつけてあるものをはずす。
源氏(1001‐14頃)鈴虫「北のみ障子もとりはなちて、御簾かけたり」
③ 取り上げる。剥奪する。とりはなす。
※金刀比羅本平治(1220頃か)中「咎もなき入道が所領をとりはなちて」

とり‐はなし【取放】

〘名〙
① 取ったままにしておくこと。とりっぱなし。
※閑耳目(1908)〈渋川玄耳生命保険「汗脂の凝った保険料をば、会社の輩(ともがら)税金の取立か、喜捨金の寄附か取(ト)り放(ハナ)しに為べき筈の物と」
② (「とりばなし」とも) 別々であること。それぞれが無関係であること。
※史料編纂所本人天眼目抄(1471‐73)一「生・殺とりばなしにわないぞ」

とり‐さ・く【取放】

〘他カ下二〙 とりのぞく。とりはらう。
紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一〇月一七日「格子のもととりさけよとせめ給へど」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android