取込(読み)とりこむ

精選版 日本国語大辞典 「取込」の意味・読み・例文・類語

とり‐こ・む【取込】

[1] 〘他マ五(四)〙
① 取って内に入れる。とり入れる。収める。
源氏(1001‐14頃)帚木「をかしきふる事をも、はじめよりとりこみつつ、すさまじきをりをりよみかけたるこそ、ものしき事なれ」
浄瑠璃仮名手本忠臣蔵(1748)一〇「内へ道具を取込み荷物の拵」
② 自分の手に入れる。自分のものにする。獲得する。
※浮世草子・本朝桜陰比事(1689)五「一度一度にくだされ物ばっと此沙汰あって、皆々取込(コム)事を願ひ」
③ まるめこむ。籠絡(ろうらく)する。
※評判記・色道大鏡(1678)五「傾城にとりこまるると傾城をとりこむとのかはりめなり」
[2] 〘自マ五(四)〙 家内に事件やもめごと、冠婚葬祭などがあってごたごたする。
※浮世草子・好色一代男(1682)七「日借の金子御かしなされ候はば、きもいり申べく候。手前取(トリ)こみ、早々申のこし候、以上」
[3] 〘他マ下二〙 ⇒とりこめる(取籠)

とり‐こみ【取込】

〘名〙
① 取って内に入れること。「洗たく物の取込み」
② 家内に凶事や祝い事があったりして、多くの人が入りこんで混雑すること。ごたごたすること。多く「おとりこみ」の形で、相手状態についていう。
※虎寛本狂言・鱸庖丁(室町末‐近世初)「イヤ、御取込にもござりませう」
③ 人をだまして金品をうばうこと。詐取

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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