古代ペルシア文字(読み)こだいぺるしあもじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「古代ペルシア文字」の意味・わかりやすい解説

古代ペルシア文字
こだいぺるしあもじ

古代イラン(ペルシア)のアケメネス朝(前700~前330)の初期につくられ、主として同王朝の王たちの事績を記録するために用いられた一種楔形(くさびがた)文字。最古遺物はアリアラムネスAriaramnes刻文(前640ころ)。この文字がもっとも多く用いられたのはダリウス1世(在位前521~前486)およびクセルクセス1世(在位前486~前465)時代で、ペルセポリス宮殿のほか西イラン各地の同時代遺跡でみいだされる。1802年にG・F・グローテフェントにより解読され、1850年ごろにH・C・ローリンソンらによりこの解読が確認されるとともに、より複雑なバビロニア楔形文字解読の手掛りとなった。この文字体系は母音文字3、子音+母音文字(一部は子音のみを表す)33(d型、型7、型4)および若干の特殊記号を含み、古代ペルシア語の表記にのみ用いられている。

矢島文夫


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