古儀式派(読み)こぎしきは

共同通信ニュース用語解説 「古儀式派」の解説

古儀式派

17世紀半ばのロシア正教会で、モスクワ総主教ニコンが進めた教会改革により異端とされた宗派分離派(ラスコーリニキ)とも呼ばれる。ドストエフスキーの「罪と罰」に登場するラスコーリニコフは、古儀式派を暗示する。ニコンは当時オスマン帝国の支配下にあった東方教会との典礼統一を進め、3本指で十字を切るよう強制した。だが古儀式派は2本指に固執。教会を持つことさえ禁じられた。やがて帝政正教会に敵対する商業資本に成長、革命を支持した。

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世界大百科事典(旧版)内の古儀式派の言及

【ラスコーリニキ】より

…17世紀後半にロシア正教会で行われた典礼改革,いわゆる〈ニコンの改革〉の受入れを拒否して正教会から分離した分派の総称。ラスコーリニキとは分離派の意味だが,分離の理由として旧来の典礼に固執したため古儀式派とも呼ばれる。モスクワ総主教ニコン(在位1652‐66)がツァーリ・アレクセイの信を得て懸案の典礼改革に乗りだしたとき,それが典礼書の改訂と典礼慣行の修正といった信仰の本質とはかかわりのない問題であったにもかかわらず,その背後に集権主義的国家教会の圧力を見てとった聖職者と信者はその改革に従わず,分派を形成した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」