最新 地学事典 「古植生」の解説
こしょくせい
古植生
palaeovegetation
現在の植生に対して,過去のある地質時代の植生をいう。普通,同じ時代の地層から産出する植物化石群(葉・生殖器官・材などの大型化石,および花粉・フィトリスなどの小型化石)中の各種の分布・生存地・生活形,それらの化石化作用の検討に基づいて復元。一般には,当時の植生の状態のすべてを表わすものではない。化石群の産出層の堆積した時代における,堆積盆地から後背地にかけての古地形や堆積場などが明らかになっている場合や,大型・小型化石が十分に得られる場合には,より精細な古植生の復元が可能。広範な地域の古植生は,小地域ごとに復元された古植生を比較検討して総合する。例えば,中新世末〜鮮新世には,中部ヨーロッパの大陸内部では草原性の,北米大陸内部には乾荒原性の植生が出現し始めたが,両大陸の他の地域や日本などでは樹林を主とする植生が引き続いて発達していた。
執筆者:尾上 享・矢部 淳
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

