古満巨柳(読み)こま・こりゅう

朝日日本歴史人物事典 「古満巨柳」の解説

古満巨柳

生年生没年不詳
江戸後期の蒔絵師。江戸住吉町(日本橋人形町付近)に住み,本名木村七右衛門という。徳川幕府お抱えの蒔絵師古満家の5代休伯に師事し,師より古満の姓を名乗ることを許され,巨柳と号する。特に印籠蒔絵師として声価が高く,「巨柳作」あるいは「古満巨柳作」の金蒔銘を記した作品が相当数伝えられている。作風研出蒔絵主体とした巧緻精細なものであり,「桜紅葉蒔絵印籠」(東京国立博物館蔵)などの代表作がある。

(小松大秀)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「古満巨柳」の解説

古満巨柳 こま-こりゅう

?-? 江戸時代中期の蒔絵(まきえ)師。
古満家5代休伯の門人で,とくに古満姓をゆるされた。印籠(いんろう)蒔絵を得意とし,余技に機械人形をつくったとつたえられる。安永-天明年間(1772-89)に活躍。姓は木村。通称は七右衛門。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の古満巨柳の言及

【古満家】より

…江戸時代の蒔絵師の家系。初代は休意(?‐1663)。1636年(寛永13)徳川家光に召され御抱蒔絵師となり,江戸城内紅葉山の仏殿に蒔絵をして大いに褒められた。彼の作に〈柴垣蔦蒔絵硯箱〉(東京国立博物館)がある。子孫は江戸末期まで12代におよび,代々の作風を古満蒔絵とよぶ。その作風は幸阿弥蒔絵と異なり,幸阿弥家では古満家を道楽蒔絵と軽んじた。古満家は時代の流行にそった変化ある態度で製作し,品格を第一として静的で保守的な作風の幸阿弥家とあいいれなかったといえよう。…

※「古満巨柳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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