台島型植物群(読み)だいじまがたしょくぶつぐん

最新 地学事典 「台島型植物群」の解説

だいじまがたしょくぶつぐん
台島型植物群

Daijima-type flora

男鹿半島の台島層の化石で代表される化石植物群。中新世前期後半~中期初頭。常緑広葉樹を多く含み,落葉広葉樹針葉樹を混交する。主として暖温帯亜熱帯植物からなり,日本に現存しない属も多く含む。冷温帯性植物を主とする阿仁合型植物群と著しい差がある。主なものは,北海道吉岡・秋田県打当うつとう・山形県小国・宮城県大内・新潟県観音沢・石川県能登中島・岐阜県平牧の各植物群。主な化石は,Ketelee-ria・Metasequoia・Calocedrus・Comptonia・Pterocarya・Castanea・Quercus(常緑・落葉)・Zelkova・Parrotia・Liquidambar・Cinnamomum・Gleditsia・PodogoniumDodonaeaPistaciaAcer・Alangium・Smilax。藤岡一男(1949)命名参考文献藤岡一男(1949) 地質雑,55巻

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改訂新版 世界大百科事典 「台島型植物群」の意味・わかりやすい解説

台島型植物群 (だいじまがたしょくぶつぐん)

日本各地の第三系中新統下部から発見される植物化石群。カシコナラ,クリ,マテバシイ,クス,タブノキフウ,ヤマモモ,ケヤキその他,暖帯性常緑広葉樹と暖温帯落葉樹主体とし,少量の針葉樹が混じる植物群で,温暖湿潤な海岸近くの低地のものと考えられている。秋田県男鹿半島に分布する台島層中に典型的な化石群が発見されているためこの名がある。この植物化石群は,九州北部から北海道中部に至る各地から広く発見されており,中新世初期が現在に比べて著しく温暖であったことを示す。全体として北日本では落葉樹や針葉樹が多く,南へいくほど常緑樹比率が増す傾向がある。なおこの台島型植物群の時代より少し前には,阿仁合(あにあい)型植物群とよばれる温冷帯落葉樹や針葉樹を主とする寒冷気候の植物群が,日本各地に広く分布していた。
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世界大百科事典(旧版)内の台島型植物群の言及

【コンプトニア】より

…また,各裂片には2~4本の側脈が主脈から直接に出る。日本では中新世中期の台島型植物群に多産。コンプトニア‐リクイダンバーComptoniaLiquidambar植物群として知られている裂片が16~20のC.yanagisawaeが常磐炭田白水層群の漸新世から,11~16裂片のC.naumanniiが秋田県打当(うつとう)層の中新世から,7~11裂片のC.kidoiが山形県折渡(おりわたり)層の鮮新世前期から報告されている。…

※「台島型植物群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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