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針葉樹 しんようじゅconifer

翻訳|conifer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

針葉樹
しんようじゅ
conifer

球果類あるいは球果植物ともいう。裸子植物中で球果をもつ一群で,マツ科,スギ科,ヒノキ科,マキ科,ナンヨウスギ科,イチイ科,イヌガヤ科などが含まれ,世界に約 400種ほど知られていて,重要な森林資源となるものが多い。特にシベリアから北ヨーロッパおよびカナダ,アラスカなど北半球冷温帯に広がる広大な針葉樹林タイガ Taigaと呼ばれ,世界で最もよく茂った森林帯の一つである。熱帯雨林などに比べて種類は少いが個体数は非常に多い。普通常緑高木であるが,カラマツのように落性のものやイチイのように丈の低いものもある。針葉樹の名が示すように葉は普通針形または線形であるがマキ科や,スギ科のコウヤマキなどは扁平な葉をつけて針葉にはならない。茎の木部に道管は形成されず,すべて仮道管である。雌雄異花。雄花は普通多数集って球花状になる。雌花は胚珠をつけた多数の鱗片が集って球花 (いわゆる松かさ) となり,その胚珠が受精して種子が成熟したものを球果と呼ぶ。イチイ科,イヌガヤ科では1~2個だけの種子を生じるので,球果は特殊な形となっている。日本の球果植物は亜高山帯に針葉樹林をつくるのが普通であるが,モミ,アカマツ,マキの類は低山に,またクロマツは海岸に生じる。

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百科事典マイペディアの解説

針葉樹【しんようじゅ】

細くてかたい針葉をつける木をいう。広葉樹の対。植物分類学上はソテツイチョウなどを除いた裸子植物の大部分。木化した鱗片葉からなる球果をつけるので,球果植物とも呼ばれる。
→関連項目造林タイガ

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林業関連用語の解説

針葉樹

樹木を葉の形態で分類した名称で、スギ、ヒノキ、マツ類、モミなど細くとがった葉をもった樹木をいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

しんようじゅ【針葉樹 conifer】

広葉樹対語で,針状の葉をもつ樹木という意味ではあるが,実際には裸子植物の針葉樹類(球果植物類)に属する樹木を総称する。したがって,イチョウやソテツは含まないが,葉の幅は広くてもナギは含まれる。針葉樹の葉は一般に針形,線形,鱗形で,カラマツ,セコイアなどを除いて常緑性。雌雄異花で,受粉は風媒,木化した鱗片葉が集まってできた球果をつける。北半球に多く,亜寒帯・亜高山帯では優占種となっている。熱帯や南半球では少ないが,マキ目,ナンヨウスギ目が分布する。

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大辞林 第三版の解説

しんようじゅ【針葉樹】

裸子植物の大半を占める球果を結ぶ樹木の総称。温帯北部を中心に世界に約500種が分布。多くは針状または鱗片状の葉をつける常緑高木だが、ハイネズなどの低木、カラマツ・ヌマスギなどの落葉樹、また広披針形の葉をつけるナギの類も含まれる。材は緻密で繊維が長く、建材・パルプ用材などとして利用される。 ⇔ 広葉樹

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

針葉樹
しんようじゅ

針のように細長く、堅い葉をつける樹木の総称。針葉樹は樹脂を多量に含み、揮発性成分に富んでいる。植物分類上では裸子植物中の球果植物類とイチイ類にまとめられる。細長い葉をもつとはいっても、ツツジ科のツガザクラ、エリカなどは針葉樹には含まれない。
 針葉樹は普通高木になるが、ハイマツ、ハイネズ、リシリビャクシンなどの低木もある。葉は常緑のものが多いため、常磐木(ときわぎ)とよばれることもあるが、カラマツなどでは落葉する。葉の形はさまざまで、トウヒ、モミ、スギ、マツなどでは幅が狭く針状となるが、ヒノキ、アスナロなどでは鱗(りん)状、ナギなどでは広葉樹のように幅広くなる。花は雌花と雄花に分かれる単性花であるが、マツ、スギ、トウヒ、モミなどでは同じ株に両花ともつく雌雄同株であり、イチイ、マキなどではそれぞれの花が別株につく雌雄異株となる。一般に実は「まつかさ」とよばれる球果をつくるが、マツ、トウヒ、カラマツなどでは種子の一端に翅(し)がある。また、イチイの種子は多肉の甘い仮種皮に包まれるし、マキでは堅い石果様となる。大形の種子をつくるものにはパラナマツなどがある。[鮫島惇一郎]

生態

世界の針葉樹はマキ、イヌガヤ、マツ、スギ、ヒノキ、ナンヨウスギ、イチイの7科に分けられるが、イチイを除く6科はすべて球果植物綱(マツ綱)にまとめられる。イチイ科はイチイ綱に含まれる唯一の科で、系統的にはかなり古い地質時代から分化してきた植物と考えられる。これらの7科は約50属に分けられ、およそ500種を含む。このうち日本には6科17属、約40種があり、コウヤマキ、アスナロ、スギの3属は日本固有のものである。北半球の針葉樹にはマツ科が多く、スギ、ヒノキ科がこれに次いでいる。南半球ではマキ、ナンヨウスギ科のものが多く、いくつかの重要な種を含んでいる。
 針葉樹は広葉樹に比べるとやせた乾燥地によく耐えるとされ、成長の最適温度も低いものが多い。したがって低緯度に少なく、高緯度地帯にタイガとよばれる広大なトウヒ、モミ、カラマツなどの針葉樹林を発達させている。一方、温暖な地域の針葉樹林としてマツ、ツガ、スギ、セコイアなどがある。日本に自生するおもな針葉樹のなかで林業上重要なものは、イチイ、カヤ、ヒノキ、サワラ、アスナロ、スギ、コウヤマキ、クロマツ、アカマツ、カラマツ、エゾマツ、アカエゾマツ、ツガ、トガサワラ、オオシラビソ、トドマツなどである。林業樹種の筆頭はスギで、北海道以外ではいちばん多く植林されている。スギは屋久(やく)島から青森県まで分布し、日本ではもっとも大きく、長寿である。とくに屋久島に生育するスギは胸高直径5メートル、高さ30メートルを超え、樹齢は2000年以上になる。有名なスギ林業地としては飫肥(おび)(宮崎県)、吉野(奈良県)、北山(京都府)、天竜(長野県、静岡県)、秋田などがある。針葉樹材のなかではヒノキが最高といわれ、日本の木造建築の優秀性もこのヒノキに負うところが大きい。とりわけ木曽(きそ)のヒノキは有名である。アカエゾマツは楽器材として定評があり、阿寒(あかん)周辺からとれるものが良材とされる。トウヒ、モミ、マツ属などの材からは良質のパルプがつくられるが、消費の増大に伴い、自然林が減少し人工林化が進んでいる。世界一高くなる裸子植物としてはセコイアがあり、大きなものでは胸高直径8メートル、高さ110メートル前後になる。中国で1945年に発見されたメタセコイアは化石植物としてよく知られる。[鮫島惇一郎]

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