右に出る者がいない(読み)みぎにでるものがいない

故事成語を知る辞典 「右に出る者がいない」の解説

右に出る者がいない

その人よりもすぐれた人はいない、ということ。

[使用例] その頃絵筆をとりましては、よしひでの右に出るものは一人もあるまいと申された位、高名な絵師でございます[芥川龍之介地獄変|1918]

[由来] 中国で、古くから使われている言い回しから。たとえば、「史記でんしゅく伝」には、次のような話が載っています。紀元前二世紀の初め、前漢王朝の時代に、ある王の家臣たちが反乱を起こそうとして失敗し、処罰の対象とされたことがありました。このとき、前漢王朝の皇帝りゅうほうは、その家臣たちと直接、面会してみました。すると、彼らは非常な傑物ぞろいで、「漢廷にの右にずる者し(前漢王朝の宮廷には、位の順で彼らの右側に座れるほどすぐれた者はいない)」と感じました。そこで、全員の罪を許して、自分の部下として召し抱えたということです。なお、昔の中国では、右の方が、位が高い人物の座る場所だとされていました。

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