コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

地獄変 じごくへん

10件 の用語解説(地獄変の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地獄変
じごくへん

芥川龍之介短編小説。 1918年発表。平安時代のある一時期並びない権勢を誇る堀河の大殿と,その権勢に屈しない絵師良秀の画筆への執念との悽惨な対立を描く。堀河の大殿は侍妾に望みながら従わなかった良秀の娘を牛車に乗せたまま焼殺し,その実景を凝視しつつ良秀は「地獄変」の名作を描き終える。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

じごく‐へん〔ヂゴク‐〕【地獄変】

地獄変相」の略。
[補説]書名別項。→地獄変

じごくへん【地獄変】[書名]

芥川竜之介の小説。大正7年(1918)発表。地獄変相の屏風(びょうぶ)画を描くために、愛する娘の焼死をもいとわない絵師良秀を通して、芸術至上主義者の悲劇を描く。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

地獄変【じごくへん】

地獄変相図,地獄絵とも。勧善懲悪のため地獄苦しみのさまを描写したもので,インドから西域・中国にかけて行われた。日本では平安初期より仏像の後壁に描く風が盛んとなり,また仏名会(ぶつみょうえ)に罪障懺悔(ざんげ)のために地獄変の屏風(びょうぶ)を立てる風も行われるようになった。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

デジタル大辞泉プラスの解説

地獄変

1969年公開の日本映画。監督:豊田四郎、原作:芥川龍之介による同名小説、脚色:八住利雄、撮影:山田一夫。出演:中村錦之助仲代達矢、内藤洋子、大出俊、下川辰平、内田喜郎、中村吉十郎ほか。

出典|小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

じごくへん【地獄変 dì yuè biàn】

変相図の一つで,地獄を描いた図をいう。地獄変相ともいう。浄土変が《阿弥陀経》《観無量寿経》,降魔変(ごうまへん)が《仏本行経》などとおのおのが拠った経典があるのに対し,地獄変は十八地獄などの観念によって描かれたとされる。唐の長安の諸寺院の壁に地獄変が描かれていたことは,張彦遠《歴代名画記》に詳しく,中でも呉道玄(道子)の描く地獄変がリアルに地獄を写して人々を恐れさせたことが《酉陽雑俎(ゆうようざつそ)》などの記録に見える。

じごくへん【地獄変】

芥川竜之介の短編小説。1918年(大正7)5月1~22日,《大阪毎日新聞》に連載。芥川の芸術観をおのずからに示す中期の力編である。本朝第一の絵師と自負する良秀に,堀川の大殿は地獄変の屛風の制作を命じる。この両者の葛藤が作品の軸となるが,絵を完成するためにはその主眼となる図柄をという良秀の願いにこたえ大殿が用意したのは,己の寵愛に従わぬ良秀の娘を檳榔毛(びろうげ)の車に入れ火を放つことであった。苦悶にゆがむ良秀の顔はやがて〈恍惚とした法悦の輝き〉を見せ,大殿は青ざめる

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

じごくへん【地獄変】

「地獄変相」の略。
書名(別項参照)。

じごくへん【地獄変】

小説。芥川竜之介作。1918年(大正7)「大阪毎日新聞」に発表。地獄変の屛風びようぶを完成させるため一人娘を犠牲にした絵師良秀の縊死いしするまでを描き、芸術と道徳の相克を示す。「宇治拾遺物語」などに取材。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地獄変
じごくへん

芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)の小説。1918年(大正7)5月『大阪毎日新聞』に連載。『宇治拾遺物語』巻3の6「絵仏師良秀(よしひで)の家の焼くるを見て悦(よろこ)ぶ事」から主人公を借りて書かれている。時の権力者堀川の大殿(おおとの)から地獄図を描くように命じられた絵師良秀は、自分の周りに地獄のような状態をつくってはそれを写して絵を描き進めていた。そしてついには、火炎に包まれてもだえ苦しむ愛娘(まなむすめ)を救い出そうともせずに見つめ続け、それを画面の中心に描き上げて絵を完成させた。良秀の狂的な姿を通して、現実的なものの全否定のうえに芸術至上主義的な世界を樹立した力作で、芥川の代表作の一つである。芸術家としての作者自身の覚悟を表明した作品であるが、最後には良秀を自殺させており、芸術至上主義と倫理との問題を提示している。[海老井英次]
『『羅生門・偸盗・地獄変・往生絵巻』(講談社文庫)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の地獄変の言及

【地獄変】より

変相図の一つで,地獄を描いた図をいう。地獄変相ともいう。浄土変が《阿弥陀経》《観無量寿経》,降魔変(ごうまへん)が《仏本行経》などとおのおのが拠った経典があるのに対し,地獄変は十八地獄などの観念によって描かれたとされる。…

※「地獄変」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

地獄変の関連キーワード芥川竜之介・芥川龍之介河童忌戯作三昧テーマ小説芥川竜之介賞或阿呆の一生藪の中侏儒の言葉芥川文下島空谷

今日のキーワード

日本政策投資銀行

1999年に日本開発銀行と北海道東北開発公庫を統合し、発足した政府系総合政策金融機関。一般の金融機関が行なう金融などを補完・奨励し、長期資金の供給などを行ない、日本の経済社会政策に金融上で寄与していく...

続きを読む

コトバンク for iPhone

地獄変の関連情報