吉利名(読み)よしとしみよう

日本歴史地名大系 「吉利名」の解説

吉利名
よしとしみよう

中世の日置北ひおきほく郷内の名田名で、現在の日吉町吉利が遺称地。日置北郷は元亨四年(一三二四)八月二一日に地頭方と領家方に下地中分されたが(「伊作庄日置北郷領家地頭和与状」島津家文書)、その際作成されたとみられる日置北郷下地中分絵図(東京大学史料編纂所蔵)には、中分線が吉利名を二分するかたちで描かれている。また吉利名には領家政所・地頭所・寺社(明性房・三宮・千手堂)があり、当地は日置北郷の中心地であった。嘉暦二年(一三二七)閏九月二一日、島津宗久は吉利名内の領家屋敷・地頭屋敷と「同その(繰返し)さんやら、くます沖たうミやうの内の公田参分二、同うミ参分二」を次男久氏に譲っているが、その際、吉利名境については中分状の旨を守るよう指示している(「島津道恵譲状」島津家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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