吉岡一文字助光(読み)よしおかいちもんじ・すけみつ

朝日日本歴史人物事典 「吉岡一文字助光」の解説

吉岡一文字助光

生年生没年不詳
鎌倉末期備前(岡山県)の刀工。鎌倉初期,福岡の地に則宗を祖とする福岡一文字が興ったが,末期には吉岡(岡山県赤磐郡瀬戸町)にも,やはり銘に「一」の字を冠する派が現れ,この派の刀工を吉岡一文字と称した。吉岡一文字には助義,助茂,助吉など「助」の字を通字とするものが多く,助光は同派の中で最も技量が優れると評価される。年紀作は永仁2(1294)年から嘉暦2(1327)年におよび,銘は「一 備前国吉岡住左近将監紀助光」と長くきり,紀姓で左近将監の官名を名乗ったことが知られている。代表作に国宝指定の元応2(1320)年銘薙刀と元亨2(1322)年銘太刀があり,丁字乱れに互の目を交えた華やかな刃文に特徴を示している。

(原田一敏)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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