名生館官衙遺跡(読み)みょうだてかんがいせき

国指定史跡ガイド 「名生館官衙遺跡」の解説

みょうだてかんがいせき【名生館官衙遺跡】


宮城県大崎市古川大崎にある7世紀末から10世紀にかけて存在した玉造郡内の中心的な官衙跡。大崎平野北西部の台地上に位置する。遺跡は南北1100m、東西700mの範囲に広がり、中世には奥州探題大崎氏の「名生(みょう)城」があったことで知られる土地である。1980年(昭和55)からの発掘調査によって、名生城城内地区から7世紀末ごろの四面庇付き瓦葺きの建物を中心とする遺構が発見された。遺構の内容が官衙中枢部と推定され、しかも多賀城より古いものであることから、多賀城ができる以前から大崎地方に律令政府の支配が及んでいたことがわかった。別の場所でもこれより新しい回廊で区画した施設跡が発見されている。また、南にこの官衙の付属寺院とみられる伏見廃寺跡がある。1987年(昭和62)、国の史跡に指定された。JR陸羽東線東大崎駅から徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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