吸筒(読み)スイヅツ

デジタル大辞泉 「吸筒」の意味・読み・例文・類語

すい‐づつ〔すひ‐〕【吸(い)筒】

酒や水を入れて持ち歩く筒形容器水筒
弁当の用意を致し、酒を―へ詰め込みまして」〈円朝怪談牡丹灯籠

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精選版 日本国語大辞典 「吸筒」の意味・読み・例文・類語

すい‐づつすひ‥【吸筒】

  1. 〘 名詞 〙 酒や水などを入れて持ち歩いた、竹筒または筒型の容器。水筒。
    1. [初出の実例]「さとりて見ればからき世の中 すひ筒に酒入てをくぜん坊主〈時之〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)二)

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世界大百科事典(旧版)内の吸筒の言及

【水筒】より

…日本では竹筒やひょうたんを用いたが,飲料水よりむしろ酒を入れることが多かった。竹筒は竹を1節分輪切りにし,その一方の端に飲み口の穴をあけた簡単なもので,〈吸筒(すいづつ)〉〈ささえ〉〈さすえ〉の名でも呼ばれ,使い捨てにされた。江戸時代になると遊びの要素も加わり,きんちゃく型,ナス(茄子)型など奇抜な形の漆器が作られた。…

【酒器】より

…また九州では焼酎を温めて飲むことが多く,鹿児島や沖縄では土瓶形をした〈ちょか〉,熊本県球磨地方では平たいフレスコ形に長い注ぎ口をつけたような〈がら〉と呼ぶ酒器があり,いずれも直接火にかけて用いている。 なお,野外での遊宴などに酒や水を携える場合に,竹筒または筒形の容器が用いられ,これを〈ささえ(小筒,竹筒)〉とか吸筒(すいづつ)と呼んだ。古くこうした用途には皮袋を用いたことが知られているが,須恵器の中には皮袋を模した袋形瓶(へい)や扁平で紐とおし用の耳をもつ提瓶(ていべい)があり,正倉院宝物の中には注ぎ口の器形に西方の皮袋の名残をとどめている角形の漆胡樽(しつこそん)が残されている。…

※「吸筒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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