和や（読み）ナゴヤ

デジタル大辞泉

なご‐や【和や】

《「や」は接尾語》柔らかなもの。荒々しくないもの。
「蒸衾むしぶすま―が下に臥せれども妹とし寝ねば肌し寒しも」〈万・五二四〉

にこ‐や【^▽和や／^▽柔や】

やわらかいこと。また、そのもの。
「蠶衾むしぶすま―が下に」〈記・上・歌謡〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

にこ‐や【和や・柔や】

1. 〘 名詞 〙 ( 「や」は状態性の体言を作る接尾語 ) はだざわりのやわらかなこと。また、そのもの。なごや。
   1. [初出の実例]「文垣の ふはやが下に 蚕衾(むしぶすま) 爾古夜(ニコヤ)が下に 栲衾(たくぶすま) さやぐが下に」(出典：古事記（712）上・歌謡)

なご‐や【和や】

1. 〘 名詞 〙 ( 「や」は「にこや（柔━）」などの「や」と同じく、状態性の体言を作る接尾語 ) なごやかな状態、または物。また、やわらかな状態、または物。
   1. [初出の実例]「むしぶすま奈胡也(ナゴヤ)が下に臥せれども妹とし寝(ね)ねば肌し寒しも」(出典：万葉集（８Ｃ後）四・五二四)

出典　精選版 日本国語大辞典