体言(読み)タイゲン

デジタル大辞泉 「体言」の意味・読み・例文・類語

たい‐げん【体言】

単語を文法上の性質から分類したものの一。自立語の中で、活用がなく、主語となることのできるもの。品詞より上位の概念を表すために用いられ、一般に名詞代名詞の2品詞に細分される。なお、学説により、名詞・代名詞・数詞の3品詞に細分することもあり、また、形容動詞を認めずに、その語幹に相当するものを体言に含めることもある。⇔用言
[類語]品詞用言名詞代名詞動詞形容詞形容動詞副詞連体詞接続詞感動詞助詞助動詞

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精選版 日本国語大辞典 「体言」の意味・読み・例文・類語

たい‐げん【体言】

  1. 〘 名詞 〙 自立語の中で、活用がなく、主語となり得るもの。用言と並んで、各品詞よりも上位の概念とされる。下位分類として、名詞・代名詞・数詞の三品詞を認めるのが一般である。学者によって、その文法観の違いで、定義およびこれに属する語に大きな揺れがある。
    1. [初出の実例]「躰言用言ともに、凡其詞は玉緒の序弁の如く」(出典:玉能緒繰分(1851)波ノ巻)
    2. [その他の文献]〔広日本文典(1897)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「体言」の意味・わかりやすい解説

体言
たいげん

日本文法の用語で、「用言」などとともに、いわゆる品詞より上位の概念を表すために用いられる。たとえば、学校文法の理論的背景をなす橋本進吉文法論では、「詞(し)(=自立語)」を大きく「用言・体言・副用言・感動詞」に分ける。なお、橋本によれば、「体言」には、いわゆる「名詞・代名詞・数詞」が含まれるが、それらの別は語義の相違によるもので、職能には差がないから、区別する必要がないとされる。「体言」は、意味的には実体概念を表し、職能的には主格・目的格などにたつことができ、形態的には語形変化(活用)をしないという特徴をもつが、そのうちのいずれを重視するかによって、体言の中身が変わることがある。たとえば、「副詞」は、橋本文法では「副用言」に分類されるが、語形変化をしないという点から、「体言」の一種みなされることがある。

[山口佳紀]

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改訂新版 世界大百科事典 「体言」の意味・わかりやすい解説

体言 (たいげん)

日本語において,単独に文節をなしうる単語(自立語)の中の一つの類。活用のない点で用言に対し,構文上の格が一定でなくとくに呼格または主格に立ちうる点で副詞,連体詞,接続詞,感動詞に対する。いわゆる名詞,代名詞,数詞がこれにあたる。名詞と数詞とのあるものは,形容詞・形容動詞の語幹を独立させて体言に入れる説もある。用言または活用連語連体形には,とくに文語で体言に準ずる用法がある。また,〈こと〉〈もの〉〈やつ〉などが連体形をうけて全体を体言化する形式的役割を果たすとき,形式体言と呼ばれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「体言」の意味・わかりやすい解説

体言
たいげん

日本語文法の用語。名詞代名詞数詞総称これらはみな,活用がなく,文の主語になりうるという性質をもつ。また,普通には単独では文の言い切りに用いられないし,時の名詞 (今日,本来など) や数詞 (1つ,2人など) が単独で連用修飾の働きをもつことを除けば,単独で次に続くことは少い。もっとも,和歌の体言止めのように,文体的効果をねらって体言で言い切ることはある。 (→用言 )  

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百科事典マイペディア 「体言」の意味・わかりやすい解説

体言【たいげん】

日本語の文法用語の一つ。単独に文節をなしうる単語(自立語)の中の一つの類。概念を表す語で,活用がなく,主語となり得る語。事物の実体的概念を表す名詞,数量・順序を表す数詞,話し手と事物との関係を表す代名詞がある。→用言
→関連項目脚結抄日本語

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世界大百科事典(旧版)内の体言の言及

【接尾語】より

…派生語はアクセントでも文構成上の資格でも,まったく1個の単語と同じ働きをし,その品詞性は接尾語が決定する。体言をなす接尾語には,サン,クン(以下,接尾語はカタカナで示す)などの敬称,ラ,ドモ,タチなどの多数称,メ,タリ,ニン,マイ,エン,ツボ,ミリなどの助数詞,その他カ(化)(例:正当化),ケイ(形)(例:三角形),シュ(手)(例:信号手)など体言に結合するもののほか,動詞につく話しテ,寝入りバナ,出ガケ,駈けッコ,形容詞・形容動詞につく深サ,柔らかミなどがある。カ,ラカ,ヤカは形容動詞語幹を作るが,品詞性を与える以外の役目は薄い。…

※「体言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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