日本文法の用語で、「用言」などとともに、いわゆる品詞より上位の概念を表すために用いられる。たとえば、学校文法の理論的背景をなす橋本進吉の文法論では、「詞(し)(=自立語)」を大きく「用言・体言・副用言・感動詞」に分ける。なお、橋本によれば、「体言」には、いわゆる「名詞・代名詞・数詞」が含まれるが、それらの別は語義の相違によるもので、職能には差がないから、区別する必要がないとされる。「体言」は、意味的には実体概念を表し、職能的には主格・目的格などにたつことができ、形態的には語形変化(活用)をしないという特徴をもつが、そのうちのいずれを重視するかによって、体言の中身が変わることがある。たとえば、「副詞」は、橋本文法では「副用言」に分類されるが、語形変化をしないという点から、「体言」の一種とみなされることがある。
[山口佳紀]
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…派生語はアクセントでも文構成上の資格でも,まったく1個の単語と同じ働きをし,その品詞性は接尾語が決定する。体言をなす接尾語には,サン,クン(以下,接尾語はカタカナで示す)などの敬称,ラ,ドモ,タチなどの多数称,メ,タリ,ニン,マイ,エン,ツボ,ミリなどの助数詞,その他カ(化)(例:正当化),ケイ(形)(例:三角形),シュ(手)(例:信号手)など体言に結合するもののほか,動詞につく話しテ,寝入りバナ,出ガケ,駈けッコ,形容詞・形容動詞につく深サ,柔らかミなどがある。カ,ラカ,ヤカは形容動詞語幹を作るが,品詞性を与える以外の役目は薄い。…
※「体言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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