唐山春秋戦国墓(読み)とうざんしゅんじゅうせんごくぼ(その他表記)Táng shān Chūn qiū Zhàn guó mù

改訂新版 世界大百科事典 「唐山春秋戦国墓」の意味・わかりやすい解説

唐山春秋戦国墓 (とうざんしゅんじゅうせんごくぼ)
Táng shān Chūn qiū Zhàn guó mù

中国,河北省唐山市賈各荘で調査された春秋戦国時代の墓。賈各荘の古墓群は東区と西区に分かれて存在し,年代的には春秋戦国時代の墓のみならず,漢時代の墓も含んでいる。1952年に中国科学院考古学研究所の安志敏らが調査を行っている。東区には6基の甕棺葬が存在し,38号甕棺からは,3点の幼児用の装飾品が発見され,これらの甕棺が幼児の埋葬をもっぱらとするものであったと考えられている。西区からは22基の春秋後期・戦国初頭の墓が報告されている。墓坑はすべて長方形竪穴で,槨あるいは棺の存在が確認された墓が17基あった。副葬品として青銅器陶器,玉・石器が発見されている。青銅器には鼎(てい),壺,豆(とう),盤,匜(い),剣,戈(か),刀,鏃,(ほん)(手斧)などがあり,壺,盤,豆にはすぐれた獣文,狩猟文などの画像が象嵌されていた。陶器には鼎,壺,豆,尊,簋(き),罐があり,春秋戦国時代燕国の特色を示している。このほか唐山市賈各荘では,8基の前漢墓と3基の後漢墓が調査されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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