陶器(読み)トウキ

デジタル大辞泉 「陶器」の意味・読み・例文・類語

とう‐き〔タウ‐〕【陶器】

陶磁器のうち、素地きじの焼き締まりが中程度で吸水性があり、うわぐすりを施した非透光性のもの。土器よりもかたいが、磁器にくらべてやわらかい。
陶磁器類の総称。焼き物。せともの。
[類語]瀬戸物磁器陶磁器焼き物かわらけ土器

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精選版 日本国語大辞典 「陶器」の意味・読み・例文・類語

とう‐きタウ‥【陶器】

  1. 〘 名詞 〙 陶磁器のうち、素地(きじ)の焼締りが中程度でやや吸水性があり、釉(うわぐすり)を施したものをいう。磁器にくらべて、透明性に劣り、強度も小さく、軽く打つと濁った音がする。磁器との間は連続的で明確な区別はないが、磁器に近いものから硬質陶器・精陶器・粗陶器に分類される。また、原料により石灰質陶器・白雲石質陶器・長石質陶器などに分けられる。衛生陶器・タイル・食器など厚手のものに用いられる。
    1. [初出の実例]「わるい陶器を打くだいて能しなをす様に、吾民をせんぞ」(出典:古文真宝彦龍抄(1490頃))
    2. [その他の文献]〔礼記‐月令〕

陶器の補助注記

不透明で吸水性のないものを炻器(せっき)、白色透明で吸水性のないものを磁器(じき)という。また、有色粘土を原料とし、摂氏九〇〇度前後で焼かれた、釉を用いていないものは土器(どき)と呼んでそれぞれ区別する。


すえ‐きすゑ‥【陶器・須恵器】

  1. 〘 名詞 〙 主に青灰色あるいは灰褐色の堅く焼いた無釉の土器で、土師器(はじき)とならぶ古墳時代窯器古称斎瓮(いむべ)。ろくろを用い、還元炎焼成によるため、形態が整い、質が堅緻である。古墳時代後半期(五世紀代)頃に朝鮮から伝来、それ以後、奈良・平安時代にわたり用いられた。すえのうつわ。祝部土器

すえ‐うつわものすゑうつはもの【陶器】

  1. 〘 名詞 〙 やきもの。すえもの。とうき。〔二十巻本和名抄(934頃)〕

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百科事典マイペディア 「陶器」の意味・わかりやすい解説

陶器【とうき】

粘土質原料に石英,長石等を加えて成形し,低火度のものは800〜900℃,高火度釉のかかるものは1200℃前後で焼成される。狭義には施釉したものをさす。素地は多孔質で若干の吸水性があり,磁器に比べて堅さや機械的強度は小さく,打てば濁音を発す。透光性はほとんどない。組成により,素地が白色の精陶器(衛生陶器,食器など)と,酸化鉄等の不純物を含む有色の粗陶器(釉瓦,陶管,かめなど)に分けられ,前者のうち特に磁器質程度までに焼き締めたものを硬質陶器という。
→関連項目セラミックス陶磁器白陶

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「陶器」の意味・わかりやすい解説

陶器
とうき
earthenware

素地(きじ)は多孔性で、器物を不透過性にするために施釉(せゆう)されているもの(ブラッセル命名法による定義)の総称。古い時代からつくられているので種類は非常に多く、組成から石灰質陶器、珪酸(けいさん)質陶器、粘土質陶器、長石質陶器(硬質陶器)、石灰‐長石質陶器、滑石質陶器に大別される。これらはそれぞれ特有な性質をもっている。

[素木洋一]

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普及版 字通 「陶器」の読み・字形・画数・意味

【陶器】とう(たう)き

やきもの。〔礼記月令〕(仲冬の月)乃ち大(たいしう)(酒官の長)に命じ、稻(じゆつたう)(もちと、あわ。酒の材料)必ず齊(ととの)へ、(きくげつ)必ず時にし、~陶必ず良くし、火齊(くわせい)(火加減)必ず得しむ。

字通「陶」の項目を見る

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食器・調理器具がわかる辞典 「陶器」の解説

とうき【陶器】

➀土や粉末状の鉱物を練って成形し、素焼きした後、釉薬を施してさらに焼いて作るもののうち、比較的低温で焼くもの。特に食器や花器などのうつわの類。素地(きじ)が多孔質でやや吸水性があり、叩くと鈍い音を発する。
➁陶磁器。さらに、広義では、土や粉末状の鉱物を練って成形し焼いて作るもの全般、すなわち陶器・磁器のほか、土器や炻器(せっき)も含めた焼き物の総称としても用いる。⇒磁器陶磁器土器炻器

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陶器」の意味・わかりやすい解説

陶器
とうき
pottery; china

一般には耐火度が高く可塑性に富んだ粘土 (陶土) を原料として成形し,これを釉 (うわぐすり) でおおい低火度で焼成したもの。素地は吸水性があるが,釉で水などの液体の浸透性を防いでいる。一般には 炻器 (→ストーンウェア ) をも含めて陶器と呼び,多くは銅,鉄,マンガンなどの酸化金属を釉呈色料として使っている。メソポタミア,エジプトでは前 3000年頃に,中国では前 1400~1300年に出現し,日本では奈良時代に施釉陶器が現れた。

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化学辞典 第2版 「陶器」の解説

陶器
トウキ
pottery, earthenware

施釉(ゆう)あるいは無釉の溶化していない粘土素地であるが,一般には施釉物をいう.無釉のものは土器とよばれる.粗陶器と精陶器に大別され,素地の組成からは石灰質陶器,長石質陶器,ケイ酸質陶器,粘土質陶器に分類される.磁器に比べて焼成温度が低い.

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改訂新版 世界大百科事典 「陶器」の意味・わかりやすい解説

陶器 (とうき)

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防府市歴史用語集 「陶器」の解説

陶器

 粘土を材料にした焼き物で、表面に釉薬[ゆうやく]をかけて焼くため、表面がガラス化し、水がもれにくくなっています。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「陶器」の解説

陶器(とうき)

陶磁器(とうじき)

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世界大百科事典(旧版)内の陶器の言及

【須恵器】より

…大阪陶邑(すえむら)窯に始まり(陶邑古窯址群)(図),生産地はやがて東海,四国,九州などの各地へ拡散していく。奈良~平安時代には〈陶器〉と表したが,釉薬をかけた陶器との混乱をさけ,考古学では須恵器と書き,〈すえのうつわ〉ともいう。 須恵器の成形法は,粘土紐積上げが基本である。…

【陶磁器】より

…可塑性に富んだ粘土を用いて所定の形に成形し,高熱で焼き締めた要用の器物で,土器clayware,陶器pottery,炻器(せつき)stoneware,磁器porcelainの総称。一般に〈やきもの〉とも呼ばれる。…

【土器】より

…考古学では,この種のもの(朝鮮半島の新羅(しらぎ)土器,日本の須恵器)も土器に含めるか,あるいは陶質土器と呼ぶことが多い。陶器は,やはり粘土を材料とし,器壁は多孔質だが器表は釉薬(うわぐすり∥ゆうやく)のガラス質に覆われており,多孔質ではない。また磁器は,石(長石,ケイ(珪)石)の粉や骨灰(こつぱい)と粘土からなる材料を用い,全体がガラス質を帯びて多孔質でなく,不透明な炻器に対して半透明である。…

※「陶器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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