善童子王子跡(読み)ぜんどうじおうじあと

日本歴史地名大系 「善童子王子跡」の解説

善童子王子跡
ぜんどうじおうじあと

[現在地名]御坊市湯川町富安

旧熊野街道の西側にあった王子で、現在小祠が祀られている。熊野九十九王子の一。「中右記」天仁二年(一一〇九)一〇月一九日条に「連同持王子」に参ったことがみえ、大般若経があったと記す。「後鳥羽院熊野御幸記」建仁元年(一二〇一)一〇月一〇条には「田藤次」王子、四辻殿御記(民経記)の承元四年(一二一〇)四月二六日条には「伝童子」王子と記され、文明五年(一四七三)の「九十九王子記」に善童子王子と記す。また正中三年(一三二六)以前の成立とされる熊野縁起(写、仁和寺蔵)は准五体王子の一に田藤次王子をあげており、九十九王子のなかでも五体王子に次いで尊崇された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android