回帰直線(読み)カイキチョクセン

日本大百科全書(ニッポニカ) 「回帰直線」の意味・わかりやすい解説

回帰直線
かいきちょくせん

標本(x1,y1),(x2,y2),…,(xn,yn)に対して
  (y-y1)2+(y-y2)2+……+(y-yn)2
を最小にするような直線y=ax+bを定めることができる。この直線を回帰直線という。たとえば、あるクラスの各学生について身長xと体重yを測定した記録、または各学生の英語の点数国語の点数の記録があるとする。このように二つの変量XとYについての記録から、その二つの変数の間の関係を一次式で近似することを考える。

 二つの変量X、Yについての測定の結果を
  (x1,y1),(x2,y2),……,(xn,yn)
とする。このときxの一次式y=ax+bに含まれる定数a、bを

が最小になるように定めたとき、このxの一次式で表される直線y=ax+bがYのXに関する回帰直線である。前記のfが最小になるようなa、bは次式で与えられる。



ただし

したがってYのXに関する回帰直線は次のようになる。


同じように、XのYに関する回帰直線は

で与えられる。

古屋 茂]

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世界大百科事典(旧版)内の回帰直線の言及

【回帰】より

…方程式y=μ2+σ2・ρ(x-μ1)/σ1で表される直線lは,XxであることがわかったときYの最良予測値yを与える。この直線lYXへの回帰直線という。回帰という用語はゴールトンF.Galton(1822‐1911)によって言い出されたというが,それは次の観察によった。…

※「回帰直線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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