固有ベクトル(読み)コユウベクトル(その他表記)eigenvector

関連語 AX 名詞

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「固有ベクトル」の意味・わかりやすい解説

固有ベクトル
こゆうベクトル
eigenvector

数学用語。固有解ともいう。行列 A による一次写像 yAX により,0でないあるベクトル X について単に λ 倍として作用するとき,λ を A の固有値といい,これに対するベクトル XA の λ に対する固有ベクトルという。すなわち AX=λX である X(X≠0) が存在するとき λ を A の固有値,X を固有ベクトルという。その条件n 次代数方程式 det|A-λI|=0 である。たとえば,行列 の固有値は,λ=2 または λ=5 であり,λ=2 に対する固有ベクトルの成分は,(2,-1) またはその定数倍である。同様に λ=5 に対する固有ベクトルの成分は (1,1) またはその定数倍である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の固有ベクトルの言及

【固有値】より

X,Yは線形空間でYXを部分空間として含むものとし,LXからYへの線形作用素とするとき,Lu=λu(λは定数)となるようなuXu=0以外に存在するとき,λをLの固有値,uをそれに対応する固有ベクトル(Xが関数空間である場合には固有関数)といい,固有値および固有ベクトルを求める問題を固有値問題という。いくつかの具体例をあげよう。…

※「固有ベクトル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む