園井村(読み)そのいむら

日本歴史地名大系 「園井村」の解説

園井村
そのいむら

[現在地名]笠岡市園井

今立いまだて村の北西にあり、東は竜王りゆうおう山、西は標高一〇〇―一三〇メートルの丘陵にさえぎられ、南北に開ける。諏訪神社南側の県道園井―里庄さとしよう線の西に面した園井土井そのいどい遺跡で中世の館跡と推定される瓦を伴わない建築群を確認。土師質土器・備前焼・亀山焼・青磁・古銭などが出土し、一三世紀頃には集落が形成されていたと思われる。また出土遺物から、一五世紀には在地有力者の居館の所在も推定される。同遺跡の東端を南北に走る谷間の道は、中世、海岸部から北方山間部に通じる要路であったと思われ、近くには馬場ばばの地名も残る。「中国兵乱記」などによれば、のちの高越山たかこしやま(現井原市)城主伊勢駿河守は当初伊勢国から当地に移り住んだとか、伊勢行長が享徳年中(一四五二―五五)に当村など六ヵ村で都合三〇〇貫文を領したなど、伊勢氏とかかわる伝承が残る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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