土地利用規制(読み)とちりようきせい(その他表記)land use control

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土地利用規制」の意味・わかりやすい解説

土地利用規制
とちりようきせい
land use control

土地所有者の利用の自由に対する制限。日本の土地利用規制は,(1) 市街化区域市街化調整区域に分類する区域区分制度,(2) 用途地域,容積率,建蔽 (けんぺい) 率,斜線制限その他を定める地域地区制度を中心としているが,欧米先進諸国に比べて緩いものとなっている。住宅は工業専用地区以外ならどこでも建築が可能であり,逆に店舗や事務所も第1種住居専用地区以外ならどこにでも建てられる。最小敷地規模規制もない。また用途地域制による規制は,敷地単位の規制であり,街区全体,地区全体の計画を見通しておらず,建築物だけを対象としているため,道路,公園など都市施設との調和を図る手法を持たない。こうした背景から 1980年に地区・街区レベルで一体的に良好な市街地を形成する手法として地区計画制度が創設された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の土地利用規制の言及

【土地問題】より

…したがって土地所有権に対する社会的介入とは,これらの自由に対する制限にほかならない。その制限は具体的には,土地利用規制,土地租税,土地収用の形をとる。すなわち使用の自由は原則として認められるが,その自由は社会が合理的と判断する土地利用計画に従わなければならず,収益の自由は認められるがその収益のうちから一定の税を納めることが義務づけられる。…

※「土地利用規制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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