…壁塗(かべぬり),壁方(かべかた),壁大工,壁工,あるいはなまってシャカンともいう。壁塗り職の分化は,すでに令制において土工司(つちたくみのつかさ)がおかれ,泥部(はつかしべ)と泥戸(ぬりこ)が所属していた。左官の語の用例は1605年(慶長10)7月25日の《宇都宮大明神御建立御勘定目録》の〈左官作料〉という記事が古く,1610年から30年(寛永7)ころには壁塗,壁屋,左官が混用され,1640年ころからは,徳川幕府の文書に壁方とあるなど他の用例もあるが,左官がおもに用いられるようになる。…
※「土工司」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」