土工司(読み)ドコウシ

デジタル大辞泉 「土工司」の意味・読み・例文・類語

どこう‐し【土工司】

律令制で、宮内省に属し、製瓦・壁塗りや石灰を焼くことなどをつかさどった役所。つちたくみのつかさ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「土工司」の意味・読み・例文・類語

どこう‐し【土工司】

〘名〙 令制で宮内省に属し、製瓦、壁塗り、石灰を焼くことなどをつかさどった役所。正・佑・令史各一人、泥部(はつかしのとものみやつこ)二〇人などの職員がおり、品部泥戸(ぬりべ)五一戸が付属した。承和二年(八三五)以前に廃された。つちたくみのつかさ。〔令義解(718)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の土工司の言及

【左官】より

…壁塗(かべぬり),壁方(かべかた),壁大工,壁工,あるいはなまってシャカンともいう。壁塗り職の分化は,すでに令制において土工司(つちたくみのつかさ)がおかれ,泥部(はつかしべ)と泥戸(ぬりこ)が所属していた。左官の語の用例は1605年(慶長10)7月25日の《宇都宮大明神御建立御勘定目録》の〈左官作料〉という記事が古く,1610年から30年(寛永7)ころには壁塗,壁屋,左官が混用され,1640年ころからは,徳川幕府の文書に壁方とあるなど他の用例もあるが,左官がおもに用いられるようになる。…

※「土工司」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」