翻訳|lime
生石灰quick lime(酸化カルシウム),消石灰slaked lime(水酸化カルシウム)の両者を合わせた通称。また石灰石limestone(炭酸カルシウム)をさすこともあり,古くはさらに広くカルシウム塩一般をさす用語としてもしばしば用いられた。リン酸石灰(リン酸カルシウム),石灰窒素(カルシウムシアナミドと炭素の混合物)などはその例である。
→酸化カルシウム →水酸化カルシウム
執筆者:曽根 興三
石灰石または貝殻を焼いてつくり,〈いしばい〉ということが多い。古くより白壁や棺を塗り,小池などをつくるときに使用し,止血剤としても用いた。清涼殿には石灰壇(いしばいのだん)がある。近世に入ると肥料としても多く使用された。これはそれまでになかったことで,濫用すれば弊害もあったので,役人の中にはその使用を禁ずるものもあったが,〈干鰯より下直にて稲もよくみのるゆへ,民どもひそかに用ひ,今は大分広まりて禁もゆるみ〉(斎藤拙堂《救荒事宜》),駆虫剤として用いられはじめた。当時における生産地は近江の伊吹山および石部近辺,山城の鞍馬・貴船近辺,武蔵八王子・成木村などが知られ,土佐,美濃,越前,大和,美作,備後などでも石灰を焼いたという。石灰稼(石灰採掘)には冥加金が課せられていたが,1843年(天保14)には残らず免除された。明治期になっても前期にはなお石灰は肥料として値段が安いので各地で使用され,1890年ごろには反当り200貫以上も施すものがあったので,農学者はしきりにその濫用を戒め,施用は漸減していった。
執筆者:三橋 時雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
生(せい)石灰(酸化カルシウム)のこと。「いしばい」ともいう。また、消石灰(水酸化カルシウム)や石灰石(炭酸カルシウム)を含めることもある。さらに、カルシウム化合物をよぶ場合にカルシウムと同じ意味に用い、たとえば硝酸カルシウムのことを硝酸石灰という場合があるが、この用法は好ましくない。
[鳥居泰男]
生石灰(酸化カルシウム)CaOのことをいうが,水和生成物の消石灰(水酸化カルシウム)Ca(OH)2をさすこともある.モルタル,冶金,工業廃棄物の処理,家庭用,工業用の水道水の処理に用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…生石灰quick lime(酸化カルシウム),消石灰slaked lime(水酸化カルシウム)の両者を合わせた通称。また石灰石limestone(炭酸カルシウム)をさすこともあり,古くはさらに広くカルシウム塩一般をさす用語としてもしばしば用いられた。…
…ミカン科の常緑果樹。果実の酸味と芳香はレモンに似るが,果形はいくぶん丸くて小さい。レモンに比べ低木。枝のとげは大きいが枝は細く,葉も小さい。耐寒性も弱い。四季咲性の花は総状花序で,白色5弁。果皮色はレモンに似る。多汁で酸濃度は約7%あるが,無酸種は0.1%程度。種子は小型で多胚性。タヒチライムと呼ばれる品種は種子がなく,三倍体といわれる。熱帯,亜熱帯に広く栽培される。インド東北部あるいはマレーシア地域原産で,アラブ諸国,北アフリカを経てヨーロッパ南部に伝えられ,さらにカリブ海の島々と新大陸に伝播(でんぱ)した。…
※「石灰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新