日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
地上放送RMP管理センター
ちじょうほうそうあーるえむぴーかんりせんたー
地上デジタルテレビ放送のコンテンツ権利保護を目的とする一般社団法人。従来のB-CAS(ビーキャス)に加えた、地上デジタル放送の「コンテンツ権利保護専用方式」のライセンス発行、運用、管理、調査、広報などを行う。英語名はthe RMP Administration Center for Terrestrial Broadcasting Contentで、略称TRMP。2011年(平成23)6月に設立された。設立当初は在京民放5社とNHKが参加し、2011年12月に全国の民放地上波テレビ局127局がすべて参加した。所在地は東京都港区南青山。なお、RMPとはRights Management and Protectionの略で、放送番組の著作権保護の仕組みのことである。
2003年末に地上デジタル放送が開始され、テレビ放送は高画質・高音質化し、画質や音質を劣化させることなく、コンテンツの大量コピーや、ネット上での配信が容易になった。そこで放送プログラムの著作権を保護し、流通を適正に行うためのコンテンツ保護システムとして、2000年からビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ社によるB-CASカードが導入され、運用・管理されている。しかし、導入当初の状況とは異なり、地上デジタル放送の受信・録画機能をもつ機器が多岐にわたるようになり、B-CASカードの改変や不正コピーなどの問題点が浮上した。これを受け、ハードウェアによらない、ソフトウェア制御によるコンテンツ保護システムを構築するために地上放送RMP管理センターが設立された。
同センターが採用する「ARIB標準規格」とよばれる方式は、暗号化と復号化をすべてソフトウェアで行い、物理的なカードを必要としない。このため、小型携帯端末や、将来的な各種デバイスに地上デジタル放送受信機を低コストで搭載することが可能である。
[編集部]