最新 地学事典 「地球化学的判別図」の解説
ちきゅうかがくてきはんべつず
地球化学的判別図
geochemical discrimination diagram
火山岩の化学組成に基づいて,その火山岩がどのようなテクトニクス場で生じた火山岩の化学組成と類似しているかを「絵合せ」的に判別でき,火山岩が形成された地質学的環境・テクトニクス的位置づけを復元したり類推するのに役立つ図のこと。判別図には異なるテクトニクス場で形成された苦鉄質火山岩中の2~4種類の主成分元素や微量元素の量比の領域がそれぞれX-Yプロットや三角プロットに図示され,使用する元素は,分別結晶作用の程度にかかわらず液体中での元素量比が変化しない元素が用いられることが多い。また,判別図は古い地質時代に変質や変成作用を被った火山岩に適用されることが多いため,二次的作用で移動しにくい希土類元素やイオン半径が小さく電荷の大きい元素(high field strength elements)を使って作成されていることが多い。さらに火山岩中の多数の元素の含有量を始原的マントルやNタイプ中央海嶺玄武岩の値で割った規格値のパターン変化で,種々のテクトニクス場で形成されたマグマ型を判別する場合もある。
執筆者:池田 保夫
参照項目:スパイダーダイヤグラム
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

