いくつかの事柄について「全部で何通りの場合があるか」数え上げるような問題を「場合の数」を求める問題とよんでいる。この種の問題において基礎となるのは次の二つの法則である。
[植竹恒男]
二つの事柄A、Bがあって、おのおののおこり方がそれぞれm、n通りで、それらがともにおこることがなければ、AかBがおこる場合の数はm+n通りだけある。このとき、l通りが重複しておこったとすれば、AかBがおこる場合はm+n-lとなる。
[植竹恒男]
二つの事柄A、Bがあって、Aのおこり方m通りのおのおのに対してBのおこり方がn通りずつあれば、AとBがこの順序でおこる場合の数はm×n通りになる。
これらの法則は、三つ以上の事柄についても同様に成り立つ。たとえば、三つの文字を並べてつくられる文字列の個数は、同じ文字を何回でも使ってよいとすれば、最初の文字の選び方は三通りあり、そのおのおのに対して第二の文字の選び方も三通りある。そのおのおのに対して最後の文字の選び方も三通りあるから、全部で3×3×3=27通りになる。このうち、たとえばAで始まる文字列を具体的につくるのに (1)のような図が用いられる。B、Cから始まる文字列についても同様な図を描くことができる。このような図を樹形図(じゅけいず)という。これらの文字列を辞書式の順序に書き並べたものが (2)である。
[植竹恒男]
貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...