化学辞典 第2版 「塩化ガリウム」の解説
塩化ガリウム
エンカガリウム
gallium chloride
【Ⅰ】塩化ガリウム(Ⅱ):GaCl2(140.63).二塩化ガリウムともいう.塩化ガリウム(Ⅲ)をガリウムとともに加熱すると得られる.無色の斜方晶系結晶.このものはGaⅠ[GaⅢ Cl4]といわれている.融点170.5 ℃.GaCl2は高温では,GaとGaCl3に分解する.[CAS 24597-12-4]【Ⅱ】塩化ガリウム(Ⅲ):GaCl3(176.08).三塩化ガリウムともいう.ガリウムと過剰塩素との反応で得られる.無色の針状結晶.融点77.9 ℃,沸点201.3 ℃.揮発性化合物で気体でも270 ℃ までは二量体として存在する.GaCl3は同族のAlCl3に類似し,有機溶媒によく溶ける.水に溶けて,ガリウム(Ⅲ)酸イオン [GaO3]3- を生じる.フリーデル-クラフツ反応の触媒,電子材料の製造などに用いられる.[CAS 13450-90-3]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報