塩化ビニリデン繊維(読み)えんかビニリデンせんい(英語表記)vinylidene chloride fibre

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塩化ビニリデン繊維」の意味・わかりやすい解説

塩化ビニリデン繊維
えんかビニリデンせんい
vinylidene chloride fibre

合成繊維の一つ。エチレンを塩化して二塩化エタンにしたあと,さらに三塩化エタンに誘導し,これに石灰乳を加えて塩酸を抜き塩化ビニリデンとする。これに少量の塩化ビニルを加えて共重合したものを押出し紡糸し,あるいは軟化剤を加えて溶かし紡糸する。単繊維が太いので用途はある程度限られるが,薬品類にも強く,水を吸ったり,腐ったりしにくいため,漁網帆布,電気絶縁布,防虫網などに多く利用されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android