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合成繊維 ごうせいせんい synthetic fiber

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

合成繊維
ごうせいせんい
synthetic fiber

木綿や絹などの天然繊維に対し,純化学的に合成された高分子からできた繊維。 1938年,デュポン社のカラザースが絹と同様にペプチド結合をもつ 66ナイロンを合成したのをはじめ,その後,多くの合成繊維が作られた。

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デジタル大辞泉の解説

ごうせい‐せんい〔ガフセイセンヰ〕【合成繊維】

合成高分子化合物から紡糸した繊維。石油を出発原料としているものが多い。ナイロンビニロンポリエステルなど。→天然繊維

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百科事典マイペディアの解説

合成繊維【ごうせいせんい】

合成高分子物質を紡糸してつくった繊維の総称。カロザーズによるナイロンの発明(1938年デュポン社発表)によって合成繊維の衣料用としての用途が確立,以後各種のものが発明・工業化された。
→関連項目織物工業化学工業化学繊維化学繊維工業合成化学工業石油化学工業帝人[株]東洋紡績[株]東レ[株]ポリアミド樹脂

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世界大百科事典 第2版の解説

ごうせいせんい【合成繊維 synthetic fiber】

化学繊維の一種で,繊維を構成する高分子を人工的に合成した後,紡糸して繊維化したもの。合成高分子の種類によって,ポリエステル系,ポリアクリロニトリル系,ポリアミド系,ポリ塩化ビニル系,ポリウレタン系,ポリオレフィン系,ポリフルオロエチレン系など多数ある。これらの合成高分子は高温にすると融解するという熱可塑性をもつものが多く,溶融紡糸法を使って高速・高能率で繊維化される。強度および切断伸長が一般に大きく,たとえばポリエステル・フィラメントの強度は4~6g/d(dはデニール)で,レーヨンの1.7~2.3g/dの約2倍である。

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大辞林 第三版の解説

ごうせいせんい【合成繊維】

化学繊維の一。石油などを原料とした合成高分子化合物を、種々の方法で紡いで繊維としたもの。ナイロン・ポリエステル・ビニロンなど。人造繊維。合繊。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

合成繊維
ごうせいせんい
synthetic fiber

化学繊維の代表的なもので、石油、石炭、水などを出発原料とし、なんらかの化学的手段を用いて繊維に形成したものをいう。繊維とは一般に「長くて、きわめて細く、しなやかなために糸に紡ぎやすいもの」と定義されている。電線や銅線は単に細長いだけで線といわれている。
 繊維は種類が多く、天然繊維と化学繊維とに大別される。天然繊維には絹、羊毛、木綿、石綿などがある。化学繊維には、セルロースやタンパク質などの天然物を化学的に処理して繊維状に再生した再生繊維(レーヨン、キュプラなど)と、天然のセルロースを化学反応させてセルロース誘導体の繊維にした半合成繊維(アセテートなど)、および合成繊維がある。合成繊維は、石油化学で製造した分子量の小さい物質を、高分子生成反応にしたがって高分子量の物質としたもののうち、繊維としてもたなければならない諸性質をもったものをいい、もっとも多量に生産されている。[垣内 弘]

歴史

化学繊維のなかでは再生繊維の歴史が早く、1900年ごろにキュプラが工業化され、次に1905年ごろにビスコース人絹と、半合成繊維のアセテートの製造が始まった。以上はいずれも天然高分子の木材パルプやワタの実の短繊維であるリンターを原料にしたものであるが、1938年にアメリカのデュポン社のカロザースにより研究・開発されたナイロンが発表された。これが合成繊維の最初のもので、当時は石炭と空気と水から合成され、その繊維は鉄より強く、クモの糸のように細いと宣伝された。
 1946年にポリエステル系繊維のテリレンがイギリスのICI社から市販され始めた。現在この系統の繊維は日本では「テトロン」の名称で知られ、その優れた性質のため多量に使われている。衣料用繊維として有名なアクリル繊維は主としてアメリカで開発されたもので、ポリアクリロニトリルを主体とし、共重合させたものである。現在、ナイロン、ポリエステルとアクリル繊維が合成繊維の主力を占めている。[垣内 弘]

日本の合成繊維工業

日本での合成繊維工業は、デュポン社によるナイロンの発表により、それまで世界1位の生産を誇っていたレーヨンやスフ(ステープルファイバー)の後退を予想して大きな衝撃を受けた。ナイロンに対抗して1939年(昭和14)に京都大学の桜田一郎によりポリビニルアルコール系合成繊維(合成1号および鐘淵(かねがふち)紡績(のちカネボウ)の「カネビヤン」)が発表された。合成繊維に対する関心も高まったが、本格的な生産が行われるようになったのは第二次世界大戦後である。
 戦後まず工業化された合成繊維はポリビニルアルコール系の「ビニロン」とナイロン6である。ビニロンは1950年、倉敷レイヨン(現クラレ)により工業生産された。またナイロン6を開発していた東洋レーヨン(現東レ)は1951年デュポン社と技術提携してナイロン6,6の、また東洋レーヨンと帝国人造絹糸(現帝人)はICI社との技術提携によりテリレンの国産化を試み、日本での商品名「テトロン」として市販し始めた。アクリル繊維は古くは1942年に東京工業大学の神原周(かんばらしゅう)(1902―99)によって試作されたが、実用化は1956年に鐘淵化学工業(現カネカ)が、アクリロニトリルと塩化ビニル(クロロエチレン)の共重合繊維「カネカロン」を生産したことに始まる。その後、各繊維会社でアクリロニトリルと他の単量体との共重合系のアクリル繊維がつくられ、多くの商品名で市販されている。[垣内 弘]

用途

合成繊維は衣料用が圧倒的に多いが、それ以外に濾過(ろか)布など工業用に使用され、また、さまざまな網として農業や水産業の分野にも使用されている。さらに複合材料の基材としてなどの特殊用途があり、それぞれの特性に応じて利用されている。[垣内 弘]

構造と性質

合成繊維はいずれも線状の高分子構造をもち、その分子が規則正しく配列していることが必要な条件である。それ以外に衣料用としては、触感のよいこと、染色性、洗濯性のよいことなどがその用途に応じた条件である。とくに合成繊維は一般に水になじまないので吸湿性が著しく小さい。これは合成繊維の特徴であり、肌着では汗を吸い取らず、織物の通気性を減ずるので肌むれがおこる。もちろんハンカチーフや雑巾(ぞうきん)にはならない。反面、水に入れても伸び縮みが少なく、乾きが早い。合成繊維は乾・湿引張り強度はあまり差が出てこない。[垣内 弘]

合成繊維の一般的製造法

合成繊維製造のための原料は現在ではすべて石油と天然ガスである。原油を沸点の差で分留してガソリンや軽油などをとっていくが、重質ガソリンの留分をナフサといい、ナフサのクラッキング(熱分解)生成物から各種合成繊維が製造されている。
 ナイロンの原料は始めに石炭と空気と水と述べたが、石炭についてはこれを乾留して留出するコールタールが原料となり、空気は液化して液体空気を分留して採取される窒素の、水は水素の原料として用いられた。しかし1950年ごろに中近東に大油田が開発され、石油価格が低落し、同時に炭化水素の分離技術も発達して、有機工業製品の原料が石炭から石油にかわった。日本は世界有数の石油化学工業国であり、合成原料の窒素以外は石油化学に依存している。
 高分子化した合成繊維原料から紡糸する方法は大別すると3通りになる。
(1)湿式法 古くはレーヨンに応用されたが、ビニロンやアクリル系繊維にも適用されている。原料ポリマー(重合体)を適当な溶媒に溶かし、加圧下で細孔をもったノズルを通して凝固液中に押し出す。紡糸速度は遅いが、孔数を多くすることによって量産を可能にしている。
(2)乾式法 紡糸用ポリマーを溶媒に溶かし、細孔から熱風中に流出させて溶媒を蒸発させて糸を凝固させる。半合成繊維のアセテートやアクリル系、ポリ塩化ビニル繊維に適用されている。
(3)溶融法 原料ポリマーを加熱・溶融し、細孔から流出し冷却固化させる。ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルやビニリデン、ポリウレタン繊維などに利用されている。溶融紡糸により得られたものはそのままでは伸びやすく、伸度も大きく、力を取り去っても元に戻らない。それを改良するため冷延伸を行う。室温で4倍以上引き伸ばし、その状態で熱処理して分子構造を固定化させる。分子の配列が良好になり結晶化が進み、強靭(きょうじん)な繊維構造に固定される。[垣内 弘]

性能と問題点

合成繊維は、天然物系の木綿やレーヨンに比べて水分吸収率が小さく、引張り強度はきわめて大きい。この吸湿性の少ないことと耐熱性に乏しいことが合成繊維の一般的な欠点であり、アイロンをかける際の適正温度が問題になる。衣料用繊維製品には、使用されている繊維名とその混紡率を表示することが義務づけられているので、アイロンかけは表示されている適正温度を選ぶべきである。
 吸湿性の少ない性質のため、摩擦で発生した静電気が帯電しやすく、とくに湿気の少ない冬季には空中に放電されないので、金属に触れるとパチパチと放電する。
 合成繊維は天然繊維に比べて比重が小さいので軽く感じ、摩擦にも強く耐薬品性があり、虫害を受けないなどの長所もあるが、染色性に問題があるものがある。極性基をもった染料と結合する基をもったナイロン(ポリアミド)、ポリエステル、アクリル系、ビニロンやポリウレタン繊維などは比較的染色しやすいが、木綿や羊毛、絹などに比べると染色しにくい。さらに染料と結合する基をもたないポリエチレン、ポリプロピレンやポリ塩化ビニルやビニリデン繊維は、当然のことながら染色性に乏しい。この染色性の悪さは、これらの繊維が衣料用として伸びない理由の一つである。
 合成繊維は一般に熱に弱い。綿、絹や羊毛などの天然繊維は、空気を遮断して加熱すると、溶融せずに熱分解をする。合成繊維は加熱によって溶融するので、火傷の被害が大きくなる。ポリ塩化ビニルやビニリデン系の塩素の入った合成繊維は自己消火性である。しかし、より高温で熱分解するとダイオキシンを副生する。
 繊維の難燃化は、乳幼児用衣料やインテリア、とくに地下街のインテリア用の材料としてみた場合、防災上重要である。[垣内 弘]

合成繊維の将来

衣料用としての合成繊維は出尽くした感がある。工業用の使途を進めるため各種のプラスチックを繊維状強化材で複合化し、プラスチックの欠点である機械的性質や熱的性質の補強や改質が行われている。補強材としての繊維はガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維(高強度、高弾性率をもつ連続長繊維で、航空機の尾翼やゴルフシャフト、釣り竿(ざお)、テニスラケットなどスポーツ用品などに使われる)などが用いられている。不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維の組合せがもっとも一般的で、これを繊維強化プラスチック(FRP、fiber reinforced plastics)とよび、小型船舶、コンテナー、スキー、バスタブなど広く用いられている。軽量で腐食せず、機械的性質も優れている。
 さらに、より高級なものとしてエポキシ樹脂と炭素繊維の組合せがある。ゴルフのブラックシャフトやテニスのラケット、釣り竿(ざお)などに使われ、アメリカやヨーロッパでは航空機の機体にまで利用されている。コンピュータ関係、ビデオなどのプリント配線基板はエポキシ樹脂とガラス繊維の組合せである。[垣内 弘]
『友成九十九著『合成繊維物語』(1952・ダイヤモンド社) ▽水谷久一著『ナイロンとテトロン』(1958・産業図書) ▽秋吉三郎著『合成繊維』(1959・日刊工業新聞社) ▽片山将道著『アクリル系合成繊維』(1959・日刊工業新聞社) ▽桜田一郎他編『合成繊維』(1964・朝倉書店) ▽広瀬兼光著『新しい合成繊維の知識』(1966・長江書房) ▽浅原照三他編『新しい合成繊維』(1968・共立出版) ▽内田星美著『現代の産業 合成繊維工業』新訂版(1973・東洋経済新報社) ▽宮坂和雄著『合成繊維の基礎知識』(1974・山崎書店) ▽祖父江寛著『合成繊維』改訂(1975・大日本図書) ▽ダイヤモンド社編・刊『合成繊維』(1977) ▽桜田一郎著『繊維の化学』(1978・三共出版) ▽井本稔著『ナイロンの発見』(1982・東京化学同人) ▽宮坂啓象・岡本三宜著、日本化学会編『新合成繊維』(1996) ▽守屋晴雄著『ナフサ体系の商品学』(1997・守山書店) ▽栗原福次著『高分子材料大百科』(1999・日刊工業新聞社) ▽李亨五著『企業間システムの選択――日本化学繊維産業の分析』(2002・信山社出版) ▽田中春彦著『環境と人にやさしい化学』(2003・培風館) ▽重化学工業通信社編・刊『化学品ハンドブック』2003年版(2003)』

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世界大百科事典内の合成繊維の言及

【繊維工業】より

…64年には繊維旧法の趣旨をさらに徹底させるために〈繊維工業設備等臨時措置法(繊維新法)〉が制定され,67年には過剰設備の処理と残存設備の近代化,企業の集中統合を目ざす〈特定繊維工業構造改善臨時措置法〉が制定された。
[合成繊維の進展]
 こうしたなかで,繊維産業成長の旗手となろうとしていたのが合成繊維(合繊ともいう)である。すでに1948年には半合成繊維アセテート繊維が工業生産を開始した。…

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