塩類細胞(読み)エンルイサイボウ

デジタル大辞泉 「塩類細胞」の意味・読み・例文・類語

えんるい‐さいぼう〔‐サイバウ〕【塩類細胞】

硬骨魚類えらにあり、体内の余分な塩類を能動的に排出する大型の細胞

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩類細胞」の意味・わかりやすい解説

塩類細胞
えんるいさいぼう

硬骨魚類のえらにある、ミトコンドリアに富む好酸性の特殊な大形細胞。海水魚海水を飲み込んで腸で吸収し、余分の塩類をえらから排出するが、塩類細胞がこれを行う。この細胞は普通、えらの上皮細胞層を貫くようにして単細胞として分布し、基底部は血管に接し、他端はくぼみ(ピット)を形成して外界の水に接する。淡水魚にも存在するが数は少なく小形である。しかし、たとえば淡水ウナギを海水に移すと、塩類細胞が発達し海水ウナギ型のえらとなることが知られている。

[内堀雅行]

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世界大百科事典(旧版)内の塩類細胞の言及

【塩腺】より

…海ガメ類でも塩腺が眼の近くにあり,塩溶液は涙となって排出される。また軟骨魚類にも直腸腺から変形した塩腺があり,硬骨魚類には腺ではないが,同じ働きをする塩類細胞がある。塩腺の働きは腎臓と違ってほとんど塩分(NaCl)の排出だけに限られ,また血液中の塩濃度がある値に達した時だけ活動する。…

【浸透圧調節】より

…そして血液よりは低張であるが比較的濃い尿を出す。余分の塩類はえらにある塩類細胞chloride cellを通じて分泌される。(2)海生の哺乳類では体の水分はおもに排尿と呼吸によって失われる。…

※「塩類細胞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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