精選版 日本国語大辞典 「境い」の意味・読み・例文・類語
さかいさかひ【境・界】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「さかう(境)」の連用形の名詞化 )
- ① 土地と土地との区切り。国と国、領地と領地などの相接するところ。境界。
- [初出の実例]「亦国々の堺(さかひ)、又大県(おほあがた)小県の県主(あがたぬし)を定め賜ひき」(出典:古事記(712)中)
- 「心の闇はいとど惑ひぬべく侍れば、さかひまでだに、と聞えて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
- ② 境界の内側。地域。場所。
- [初出の実例]「夫(そ)れ父母(かそいろはのみこと)、既に諸(もろもろ)の子(みこたち)に任(ことよ)させたまひて、各其の境(サカヒ)を有(たも)たしむ」(出典:日本書紀(720)神代上(兼方本訓))
- ③ ( 時間的な事や抽象的な事などについて ) 物事の区切り。境目。
- [初出の実例]「ふる雪をそらにぬさとぞたむけける春のさかゐに年のくるれば」(出典:貫之集(945頃)二)
- ④ 境涯。境遇。
- [初出の実例]「年の若きを憑(たの)むべからず、老少不定の堺なり」(出典:平松家本平家(13C前)一)
- ⑤ 境地。特に、すぐれた境地をさしていう。→さかい(境)に入る