普及版 字通 「壼」の読み・字形・画数・意味
壼
13画
[字訓] ひろい・みち
[説文解字]
[字形] 象形
壺(こ)の形に近いが、壺はその器蓋の象。壼の篆文の字形は(たく)の形に従うものであるらしく、大きな(ふくろ)の形に近い。〔爾雅、釈宮〕に「宮中の(かう)(みち)、之れを壼と謂ふなり」、〔説文〕囗(い)部六下に「宮中のなり」とあって、のちその義に用いるが、字の本義ではないように思われる。篆文の字形からいえば、の底の大きいもの、またそのようにものを包みこむ意をもつ字であろう。囗はそのの部分に当たる。
[訓義]
1. ひろい、ひろくする。
2. 梱・と通じ、門のしきみ、とざすもの。
3. 宮の意に用い、宮中のみち。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕壼 ヒロシ 〔字鏡〕壼 ツクス
[語系]
壼・khunは同声。〔詩、大雅、既酔〕に「其のは維(こ)れ何ぞ 室家の壼なり」とあり、〔説文〕はその詩句を引くが、「宮中の」では詩意に合わず、〔毛伝〕に「廣なり」、〔箋〕に「壼の言爲(た)る、梱(こん)なり」という。にして閾(こんよく)の意とするようである。閾hiuk、限henも同系の語で、ある区域を限る意をもつものであろう。
[熟語]
壼▶・壼奥▶・壼閣▶・壼訓▶・壼術▶・壼政▶・壼則▶・壼範▶
[下接語]
宮壼・中壼
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報