夏虫のひむし(読み)なつむしのひむし

精選版 日本国語大辞典 「夏虫のひむし」の意味・読み・例文・類語

なつむし【夏虫】 の ひむし

① (「ひむし」は蚕(かいこ)で、夏蚕(なつご)である蚕の意) 夏の蚕。夏蚕。
書紀(720)仁徳二二年正月・歌謡「那菟務始能(ナツムシノ) 譬務始(ヒムシ)の衣 二重着て 隠(かく)み宿(やだ)りは 豈(あに)良くもあらず」
② (「ひむし」は火虫で、①の「ひむし」を火虫と解したことによる) =なつむし(夏虫)
読本椿説弓張月(1807‐11)拾遺「みづから来つるは夏虫(ナツムシ)の、火虫(ヒムシ)が燈(ともし)によるに似たり」
[補注]「ひむし」の「ひ」は「日本書紀」に「ひ」の甲類音を示す「譬」が用いられているので、乙類音の「火(ひ)」とは別音。従って「ひむし」を「火虫」と解することはできない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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