夏虫(読み)ナツムシ

デジタル大辞泉の解説

なつ‐むし【夏虫】

夏の虫。夏の夜、灯火に寄ってくる虫。火取り虫。 夏》「―や夜学の人の顔をうつ/召波」
ホタル異名
「―の影見し沢のわすれ水思ひ出でても身はこがれつつ」〈続千載・恋四〉
セミの異名。
「八重むぐらしげき宿には―の声よりほかにとふ人もなし」〈後撰・夏〉
夏沸瘡(なつぶし)」に同じ。

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大辞林 第三版の解説

なつむし【夏虫】

夏に出て来る虫の総称。特に、灯火に寄ってくる蛾などの虫。火取り虫。 [季] 夏。 「 -の火に入るがごとく/万葉集 1807
ホタルの異名。 「 -を何かいひけむ心から我もおもひにもえぬべらなり/古今 恋二

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精選版 日本国語大辞典の解説

か‐ちゅう【夏虫】

〘名〙 夏の虫。氷を知らないことから世事にうといことにいう。
※本朝文粋(1060頃)三・神仙〈都良香〉「夏短慮。終昧弁於冬冰」 〔荘子‐秋水〕

なつ‐むし【夏虫】

〘名〙
① 夏現われる虫。特に、夏の夜、灯火に慕い寄ってくる青などの虫。火取虫。夏虫の火虫。《季・夏》
※万葉(8C後)九・一八〇七「夏虫の 火に入るがごと」
※古今(905‐914)恋二・六〇〇「夏むしを何かいひ劔(けん)心から我もおもひにもえぬべら也〈凡河内躬恒〉」
② 昆虫「ほたる(蛍)」の異名。
※後撰(951‐953頃)夏「ほたるをとらへて〈略〉汗衫(かざみ)の袖に包みて つつめども隠れぬ物は夏虫の身よりあまれる思ひなりけり〈よみ人しらず〉」
③ 昆虫「せみ(蝉)」の異名。
※後撰(951‐953頃)夏・一九四「八重葎繁き宿には夏虫の声より外に問(とふ)人もなし〈よみ人しらず〉」
④ 昆虫「か(蚊)」の異名。
※藻塩草(1513頃)一二「夏虫のこゑ、蚊也」
⑤ 夏、子どもにできる瘡。なつぶし。
⑥ 夏蚕(なつご)。→夏虫のひむし

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