多乳房症、多乳頭症(読み)たにゅうぼうしょう、たにゅうとうしょう(その他表記)Polymastia, Polythelia

六訂版 家庭医学大全科 「多乳房症、多乳頭症」の解説

多乳房症、多乳頭症
たにゅうぼうしょう、たにゅうとうしょう
Polymastia, Polythelia
(女性の病気と妊娠・出産)

どんな病気か

 乳腺ないし乳頭が3つ以上あるものをいいます。

原因は何か

 胎児期に乳腺の原器は両側(わき)の下から股の付け根までの数カ所に形成されますが、通常は胸部の1対のみを残して退化します。しかし、腋の下の部分の乳腺が副乳腺として形成されることがしばしばあり、小さないぼ状の乳首を伴うことがあります。完全な乳頭・乳輪を備えた乳房が3つ以上形成されることはまれですが、この場合でも本来の乳房より発達が悪いことが多いようです。

症状の現れ方

 生後はあまり目立たないことが多いのですが、思春期に入るとともに腋の下の部分のふくらみや、ほくろ状の乳頭、乳輪が明らかに認められるようになります。

検査と診断

 視触診で診断可能です。多乳房症の場合には、超音波検査などで乳腺の存在が確認できます。

治療の方法

 通常は治療する必要はありません。美容上問題がある場合には、切除手術を行うことができます。

病気に気づいたらどうする

 決してめずらしくない「先祖返り」なので、気にならなければ放置してよい病気です。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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