多角化戦略(読み)たかくかせんりゃく(その他表記)diversification strategy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多角化戦略」の意味・わかりやすい解説

多角化戦略
たかくかせんりゃく
diversification strategy

企業成長戦略の一つで,新しい事業分野へ進出すること。既存事業の関連性を基に技術関連多角化,市場関連多角化,非関連多角化に区別される。一般的には,既存経営資源を有効に利用できる分野への多角化が高い成果をもたらすことが多い。事業の多角化によって企業内部の未利用の余剰資源が利用でき,また範囲経済の利用と,リスク分散を図れるという長所がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の多角化戦略の言及

【経営・経営管理】より

…具体的には,(1)企業環境における(存続と成長の)機会,(存続・成長を危うくする)脅威の識別,(2)自己の相対的強み・弱みの自己点検(技術・商品企画・開発・マーケティング等の力を他企業と比較した場合の相対的優位・劣位),前者を伸ばし,後者を改善または廃除する方向の模索,(3)企業環境と企業との望ましい相互作用の場=企業の望ましい行動領域の設定,(4)望ましい行動領域内部の諸事業に対する重点評価とそれに対応した企業資源(人物,金など)の重点的開発と重点配分,といった過程をたどる。
[アメリカにおける多角化戦略]
 経営・管理のなかで経営戦略ないし戦略的決定が理論的にも実践的にも重視されるようになったのは1960年代以降であり,とりわけ70年代に入って盛んになった。それには,実践的レベルでは1920年代に始まり,50年代の技術革新を背景にして60年代にアメリカのビッグ・ビジネスの成長手段として一般化した多角化(経営多角化)による成長が,戦略的な意味合いを強くもっていたこと,研究レベルではチャンドラーA.D.ChandlerやアンゾフH.I.Ansoffが多角化を戦略的含意をもって評価したことが,大きな影響を与えている。…

※「多角化戦略」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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