夢浮橋(読み)ゆめのうきはし

精選版 日本国語大辞典 「夢浮橋」の意味・読み・例文・類語

ゆめ‐の‐うきはし【夢浮橋】

[1]
[一] 吉野川の夢の渡しという地に架けられていた浮橋
[二] 「源氏物語」第五四帖(最終帖)の巻名。浮舟のゆくえを確かめた薫が、浮舟の弟小君に手紙を託してさし向けるが、浮舟は逢おうとせず、薫は落胆する、という次第を述べる。
[2] ((一)(一)から) 夢の中のあやうい通い路。また、夢。はかないことや、世の中がはかなくて渡りにくいことのたとえ。夢の渡りの浮橋。
狭衣物語(1069‐77頃か)二「いかにたどり寄りつる夢のうきはしとうつつの事とだに思されず」

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