浮舟(読み)ウキフネ

デジタル大辞泉 「浮舟」の意味・読み・例文・類語

うきふね【浮舟】[書名・謡曲]

源氏物語第51巻の巻名。また、その女主人公の名。宇治の八の宮の娘。かおる大将匂宮におうみやの二人との愛に苦しみ、宇治川に入水するが、横川よかわ僧都そうずに助けられて尼となる。
謡曲四番目物観世金春こんぱる金剛流。源氏物語取材。浮舟の霊が現れ、過って匂宮と通じ、宇治川へ投身した物語を語る。

うき‐ふね【浮(き)舟】

水面に浮かんでいる小舟。頼りないことにたとえることが多い。
[補説]作品名別項。→浮舟

ふ‐しゅう〔‐シウ〕【浮舟】

浮かんでいる舟。うきふね。
水上飛行機フロート

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精選版 日本国語大辞典 「浮舟」の意味・読み・例文・類語

ふ‐しゅう‥シウ【浮舟】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 浮かんでいる舟。うきふね。〔杜甫‐王閬州筵奉酬十一舅詩〕
  3. 水上飛行機で、車輪のかわりに用いる降着装置。フロート。〔和英海語辞典(1928)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浮舟」の意味・わかりやすい解説

浮舟
うきふね

源氏物語宇治十帖に登場する女性薫大将匂宮の2人から愛され,悩んで入水自殺をはかるが,横川僧都に助けられ,出家して俗世の愛を拒む。謡曲『浮舟』はこれに取材した夢幻能

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「浮舟」の解説

浮舟 うきふね

「源氏物語」(宇治十帖)に登場する女性。
父は宇治八の宮,母は中将の君。光源氏の子薫と今上帝の皇子匂宮(におうみや)に愛されてくるしみ,宇治川に入水。たすけられて尼となる。薫は浮舟の弟を使いにだすが,あおうともしなかった。別名手習(てならい)の君,蜻蛉(かげろう)の君。

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普及版 字通 「浮舟」の読み・字形・画数・意味

【浮舟】ふしゆう

水に浮かぶ舟。

字通「浮」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の浮舟の言及

【源氏物語】より

…(番外)雲隠(くもがくれ)。第3部は,42匂宮(におうみや),43紅梅,44竹河(たけがわ),45橋姫,46椎本(しいがもと),47総角(あげまき),48早蕨(さわらび),49宿木(やどりぎ),50東屋(あずまや),51浮舟,52蜻蛉(かげろう),53手習,54夢浮橋(ゆめのうきはし)である。橋姫以下10巻を一般に〈宇治十帖〉と呼ぶ。…

※「浮舟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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