日本大百科全書(ニッポニカ) 「大原トンネル」の意味・わかりやすい解説 大原トンネルおおはらとんねる 静岡県北西部、JR飯田(いいだ)線水窪(みさくぼ)―大嵐(おおぞれ)間にある長さ5063メートルの単線鉄道トンネル。1953年(昭和28)着工、1955年開通。天竜川に建設された佐久間ダムの湛水(たんすい)により水没する飯田線中部天竜―大嵐間の付替路線として建設された。工事期間短縮の要請が強かったため、アメリカから輸入した大型トンネル機械を駆使し、国鉄(現JR)最初の全断面掘削工法により22か月で完成した。従来使用されていた木材支保工にかえて、鋼アーチレール支保工を採用するなど、第二次世界大戦後のトンネル技術向上に資するところが大きかった。[藤井 浩] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例