大日本維新史料(読み)だいにほんいしんしりょう

山川 日本史小辞典 改訂新版 「大日本維新史料」の解説

大日本維新史料
だいにほんいしんしりょう

維新史料編纂会が「大日本史料」と同じ体裁で編集した維新の編年史料。孝明天皇践祚(せんそ)の1846年(弘化3)から廃藩置県の71年(明治4)までを8編にわけて出版する計画だったが,1943年(昭和18)までに第1~3編の一部にあたる,ビッドル来航,ペリーの2度目の来航,日米修好通商条約の締結直前などの19冊が刊行されたのち,中断した。維新史料編纂会の史料などを移管した東京大学史料編纂所には全期間を収めた稿本マイクロフィルムがあり,政治的事件の概要を記した綱文は「維新史料綱要」として別に刊行され,データベース化されている。原史料からの採録時に洩れた記事も少なくないが,政治史の最も基本的な史料集。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大日本維新史料」の意味・わかりやすい解説

大日本維新史料
だいにほんいしんしりょう

江戸時代末期,維新期に関する編年史料。初め文部省維新史料編纂事務局が編纂し,のち東京大学史料編纂所に引継がれた。史料全体の編纂計画は,孝明天皇践祚の弘化3 (1846) 年2月 13日から廃藩置県の明治4 (71) 年7月までを編年体で記述し,参考史料を掲出しようとするもの。既刊の内容は弘化3,安政1 (54) ,同5年のそれぞれの一部である。『維新史料綱要』 (10巻) は,本史料の編年順目録で,慶応4 (68) 年から 1877年までの事項を内容としている。第2次世界大戦後は,本編の続刊をやめて類纂之部として井伊家史料を刊行している。

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