大槻郷(読み)おおつきごう

日本歴史地名大系 「大槻郷」の解説

大槻郷
おおつきごう

和名抄」所載の郷。同書高山寺本など諸本とも訓を欠くが、オホツキであろう。天平勝宝二年(七五〇)一二月二八日の治部省牒(正倉院文書)に香取郡神戸大槻郷とみえ、香取神宮に奉仕する民戸であったことが知られる。戸主中臣部真敷の婢稲主女(二〇歳)が東大寺官奴として仕えることになっている。しかし稲主女は逃亡したらしく、捕らえられ改めて貢上されている(天平勝宝三年五月二一日「下総国司解」同文書)。現佐倉市丁子の吉原三王ようろごのよしわらさんのう遺跡から出土した九世紀前半から後半とされる土師器坏および皿の墨書銘に「香取郡大坏郷中臣人成女」「吉原大畠」「吉原仲家」「浜」「大家」「大門」などとみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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