大沢庄(読み)おおざわのしよう

日本歴史地名大系 「大沢庄」の解説

大沢庄
おおざわのしよう

現篠山市内にあった古代成立の庄園。長保三年(一〇〇一)六月二六日の平惟仲施入状案(高野山文書)によれば、中納言兼大宰帥平惟仲は摂津国柴島くにじま(現大阪市東淀川区)・丹波国大沢庄など四所を摂津国西成にしなり郡柴島にあったと思われる仏性院に施入している。鎌倉末期の八条院領庄園の状況を示す嘉元四年(一三〇六)六月一二日の昭慶門院領目録案(竹内文平氏旧蔵文書)には当庄が智恵光ちえこう(現京都市上京区)領としてみえている。なお現神戸市兵庫区の能福のうふく寺に所蔵されていた大般若経奥書(昭和現存天台書籍綜合目録)に「承久四年壬午四月十八日書写了 執筆大沢御庄石二門村良鑒大徳」とある。この大般若経は焼失したため確認はできないが、「石二門村」は石前村の誤記の可能性もあり、その場合は旧丹南町岩崎いわざきのことをさすと思われる。文永四年(一二六七)一二月六日の関東下知状案(持明院文書)によれば、大沢庄預所地頭職が持明院中将基盛に安堵されており、建武三年(一三三六)一一月一日には基盛女子近衛局に大沢庄内石前いわさき宇土うど両村などが足利尊氏によって安堵されている(「足利尊氏御教書写」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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