大租(読み)たいそ

精選版 日本国語大辞典 「大租」の意味・読み・例文・類語

たい‐そ【大租】

  1. 〘 名詞 〙 令制前に、各国に蓄積されていた田租。その管理徴収権は中央官司の税司主鎰にあり、国司にはなかったが、大宝元年(七〇一大宝令施行にあたり、管理徴収権は国司に移され、大租を納めた倉の鑰(かぎ)も国司に渡されて、以後この語は使われなくなった。
    1. [初出の実例]「宣告依新令政、及給大租之状」(出典続日本紀‐大宝元年(701)六月己酉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の大租の言及

【小作制度】より

…小作農は,地主の意志とはかかわりなく,その所持する田面権を転買・入質あるいは譲渡することができた。自分の田面権を売り,従前からの田底権をもつ地主と田面権を買い取った地主の両者に対して小作料を収める小作農もおり,前者の小作料は大租(だいそ),後者の小作料は小租(しようそ)と呼ばれた。地主が田底権のみを所有し,佃戸が田面権をもつ田土の小作料は一般の小作料よりも低く,長い租佃制の歴史を通じて小作農の地位がたしかな上昇を遂げていたことを示している。…

※「大租」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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