大統領拒否権(読み)だいとうりょうきょひけん(その他表記)presidential veto

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大統領拒否権」の意味・わかりやすい解説

大統領拒否権
だいとうりょうきょひけん
presidential veto

アメリカ大統領連邦議会に対して有する権限。連邦議会可決された法律案は,通常大統領署名を得てはじめて発効するが,その際に大統領が署名を拒否し発効を妨げえることをいう。この場合,大統領は異議の理由を付して発議した院に送り返すが,両院が3分の2の多数で再度可決すれば大統領の拒否をこえて法律になる (overside veto) 。また,法案の可決・送付後,日曜日を除く 10日以内に大統領が拒否権を行使しなければ,法案は自動的に発効する。ただし,10日以内に議会が休会したときは署名しないかぎり廃案になる (pocket veto) 。慣行として拒否権は法案の一部ではなく全体について行使されるので,大統領は部分的には反対でも全体として署名せざるをえないケースが多く生じ,最近では,条項別の拒否権 (item veto) を認めようとする働きかけがホワイトハウス側から活発化している。

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