大草公弼(読み)おおくさ・きみすけ

朝日日本歴史人物事典 「大草公弼」の解説

大草公弼

没年:文化14.8.24(1817.10.4)
生年:安永4(1775)
江戸後期の国学者幕臣,諸家系譜編纂員。京都二条御門頭間宮氏の子。名は公仲,公克。字篤夫,野木瓜と号した。通称大次郎。幕臣大草氏を嗣ぎ,豊富な蔵書をもとに日本中世の歴史研究を生涯志した。主著の『南山巡狩録』全21巻(1809年序,写本)は,天野信景の『南朝紹運図』や同時代の竹口栄斎著『南朝皇胤紹運録』を援用改正しつつ,南朝57年の事績をすこぶる精しく叙述した年譜で,南朝の文芸アンソロジー『南山遺草』(全3巻,1809年成立)とともに幕府に献上した。息子の公明も学芸に秀で,随筆『春宵茶談』が伝わる(『視聴草』3集)。公弼の略伝は自著『元人来寇考』(写本)の下巻にみえる。

(ロバート・キャンベル)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大草公弼」の解説

大草公弼 おおくさ-きみすけ

1775-1817 江戸時代後期の国学者。
安永4年生まれ。幕臣。寛政11年諸家系譜編纂(へんさん)員となる。南朝の事跡を詳述した年譜「南山巡狩録」をあらわした。文化14年8月24日死去。43歳。本姓は間宮。初名は公仲,公克。字(あざな)は篤(徳)夫。通称は大次郎。号は野木瓜。著作はほかに「元人来寇考」「一遍上人考并藤沢寺之事」。

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