大袋(読み)おおぶくろ

精選版 日本国語大辞典 「大袋」の意味・読み・例文・類語

おお‐ぶくろ おほ‥【大袋】

〘名〙
① 大きな袋。
古事談(1212‐15頃)二「陽明門内 左近府前程也。置道之頭ニ有大袋
中世に横行した強盗の呼び名。強奪した物や人間を大きな袋に入れて持ち去るもの。
※白河本東寺五九‐(元徳三年カ)(1331か)一〇月三日・六波羅御教書「打入寺領山城国拝師庄、致苅田・大袋・刃傷由事」
③ 槍の鞘(さや)で、袋形をした大きなもの。
浄瑠璃薩摩歌(1711頃)鑓じるし「大袋は同国唐津、ずん切鞘に銀の笠」

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世界大百科事典(旧版)内の大袋の言及

【検断沙汰】より

…鎌倉幕府は当初,当事者の身分によって管轄を分かち,1249年(建長1)には御家人訴訟専掌機関としての引付方を発足させたが,まもなく訴訟対象によって管轄を分かつ制度に改め,不動産訴訟を対象とする所務沙汰,動産および債権債務関係を扱う雑務沙汰と,検断沙汰の3系列に訴訟制度を編成した。幕府の訴訟制度を解説した《沙汰未練書》によると,検断沙汰の対象は,謀叛,夜討,強盗,窃盗,山賊,海賊,殺害,刃傷,放火,打擲,蹂躙,大袋,昼強盗,路次狼藉,追落,女捕,刈田,刈畠であり(大袋・追落は強盗の一種,刈田・刈畠は他人の田畠の作物を強奪する行為),おおむね現在の刑事事件に相当する。 検断沙汰を扱う機関は関東では侍所で,訴人が訴状を侍所へ提出すると,侍所頭人が銘を加えて(訴状の端裏に年月日と訴人名を記す)担当奉行に送る。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」