( 1 )「盗」の呉音は清音のタウだが、「強」の呉音ガウのウが鼻音性をもっているため、タウが濁音化してガウダウとなり、さらに、舌音のダに引かれてガウのウが舌音の鼻音ンに転じてガンダウとなったものと思われる。
( 2 )その後、ガンダウの形は、「強盗提灯」「強盗返し」「強盗頭巾」などの複合語に残るにとどまり、単独ではガウダウとなっていく。さらに、字音の連濁や開合の区別が多く失われた江戸後期から明治頃に、ゴウトウが一般的になった。
字通「強」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…17世紀フランスの版画家ジャック・カロが描いた多くの作品に盗賊の群れのモティーフが使われたこともその証拠といえる。18世紀に入ると,大都市では押込み強盗,家僕の窃盗,すりなどの盗みの行為が圧倒的に多くなり,例えば革命前夜のパリでは犯罪件数の90%に近い割合を示して,現代社会にきわめて類似した犯罪構造をはらんでいた。こうしたなかで,18世紀のイギリス,フランス,ドイツではディック・ターピンDick Turpin(本名Richard Turpin,1706‐39),カルトゥーシュCartouche(本名ドミニクLouis Dominique,1693‐1721),シンダーハネスSchinderhannes(本名ビュックラーJohann Bückler,1783‐1803)らの強盗が理想化されて,中世イングランドの義賊ロビン・フッドにも似たイメージが民衆世界にわきあがるが,彼らは本質的には盗賊のやからにすぎなかった。…
…私有の観念の発生とともに古くからあった行為であろうが,さまざまな社会の中で,どのような行為が犯罪とされ,またどのように罰せられるかは,その社会や文化のあり方と深くかかわっているといえる。 なお盗みをめぐる現在の法律上の問題については,〈窃盗罪〉〈強盗罪〉〈横領罪〉の項を参照されたい。
【盗みをめぐる習俗】
盗みという行為がどう扱われるかは,その社会の〈所有観念〉と深くかかわりをもつ。…
※「強盗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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