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古事談 こじだん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

古事談
こじだん

鎌倉時代前期の説話集。源顕兼 (あきかね) 編。6巻。建暦2 (1212) 年以後,建保3 (15) 年の間に成立。王道后宮,臣節,僧行,勇士,神社仏寺,亭宅諸道に分ける。所収の説話は,『小右記 (しょうゆうき) 』『李部王記 (りぶおうき) 』などの公卿日記,『江談抄 (ごうだんしょう) 』『富家 (ふけ) 語』などの談話録,『扶桑略記』などの史書から抄出したものが多い。藤原氏全盛時代の説話が中心で,懐古趣味を満足させるべく編纂されたものと考えられる。文学的価値は低いが,『宇治拾遺物語』や『発心集 (ほっしんしゅう) 』などの中世説話集に説話を供給しているなど,説話文学の発達を促したところに功績が認められる。なお『続古事談』 (19) は編者不明で,中国の説話をも含めている。顕兼は刑部卿,従三位。建保3年 56歳で没した。

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デジタル大辞泉の解説

こじだん【古事談】

鎌倉時代の説話集。6巻。源顕兼(みなもとのあきかね)編。建暦2~建保3年(1212~15)の間に成立。奈良時代から鎌倉初期までの説話を集め、王道后宮・臣節・僧行・勇士・神社仏寺・亭宅諸道の6編に分類したもの。

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百科事典マイペディアの解説

古事談【こじだん】

鎌倉初期の説話集。6巻。源顕兼著。1212年―1215年ごろ成立。王道・后宮,臣節,僧行,勇士,神社仏寺,亭宅諸道の6巻に分け説話を記す。《中外抄》《富家語》《江談抄》など種々の先行書からの抄出で文体も不統一。
→関連項目言談西行説話文学中外抄富家語巡り物語

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世界大百科事典 第2版の解説

こじだん【古事談】

鎌倉初期の説話集。源顕兼(あきかね)編。1212年(建暦2)以後15年(建保3)2月までに成立。6巻。説話を〈王道・后宮〉〈臣節〉〈僧行〉〈勇士〉〈神社〉〈仏寺〉〈亭宅〉〈諸道〉に分類集録し,その形態は中国の類書に似る。462話収録。《中外抄》《富家語(ふけご)》《江談抄(ごうだんしよう)》《扶桑略記(ふそうりやつき)》をはじめとする諸種の先行文献の記事を抄出したものが中心となっている。説話に対しての編纂者の評語,教訓の類は付されていない。

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大辞林 第三版の解説

こじだん【古事談】

説話集。六巻。源顕兼編。1212年から15年の間に成立。宮廷や貴族、僧侶の説話を多く収録。先行文献の引用が多い。他の説話集への影響も少なくなく、説話の伝承上重要な作品。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

古事談
こじだん

鎌倉初期の説話集。王道后宮、臣節、僧行、勇士、神社仏寺、亭宅諸道の6巻からなる。源顕兼(あきかね)編で、編者の没年(1215)直前の成立か。称徳(しょうとく)女帝の淫事(いんじ)、花山(かざん)帝の出家の真相、在原業平(ありわらのなりひら)と伊勢斎宮(いせさいくう)との密通事件とその事後処理など、貴族社会や政治にまつわる秘話や裏面話の数々があからさまに書き付けられており、王朝社会の隠れた一面をきわめて印象的に物語っている。説話の総数450余のうち大半が『小右記(しょうゆうき)』(1032以降成立)、『扶桑略記(ふそうりゃっき)』(1094ころ成立)などの日記・歴史書、『中外抄(ちゅうがいしょう)』(1154以降成立)、『富家語(ふけご)』(1161以降成立)などの故実書から抜粋、抄出されたもので、やや難解な漢文体仮名交り文で綴(つづ)られているが、内容的には価値が高く、きわめて興味深いものがある。『続古事談』(1219成立)という影響作のほか、『宇治拾遺(うじしゅうい)物語』(1221ころ成立)など後続の説話集に多くの素材を提供しており、文学史的にも重要である。[浅見和彦]
『小林保治校注『古事談』上下(1981・現代思潮社)』

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世界大百科事典内の古事談の言及

【中外抄】より

…上下2巻より成り,1137年(保延3)より54年(久寿1)の間の有職故実に関することや人物の逸話などを,かな交り文で筆記している。鎌倉時代の説話集《古事談》は本書から多く記事をとっているといわれる。尊経閣文庫に鎌倉時代初期書写の本書の下巻が伝わる。…

※「古事談」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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